第12話 秋月 蓮-あきづき れん- ②
「秋月蓮って、結局そういう男だったのよね。」
私は彼の姿を見ながら、くすっと笑った。
あっさりと陽菜に乗り換えたんだから。
いや、もしかしたら、最初からそういうつもりだったのかもしれない。
だって、蓮はクラス一番の人気者。
イケメンで、誰にでも優しくて、社交的で——
女子人気ナンバー1。
でも、ただの「軽い男」だったのかもね。
「そんな蓮のどこが良かったのかしら?」
優等生で真面目で、いつも周りに気を遣っていたのに、よりによって、あんな男を好きになってたなんて。
蓮は、ずっと「つまらなそうに」していた。
最初こそ嬉しそうだったけど、次第に態度が変わっていった。
それとも「新しい女」に目移りしただけ?
ふふ、どっちにしても、彼が浮気性の男だったのは間違いないわよね。
だから、陽菜に惹かれた。
――笑顔を絶やさない陽菜に。
「…陽菜は、親友だったのにね。」
——裏切り、なんて言葉じゃ足りないほどの背徳感。
でも、彼はそんなこと気にしなかった。
そして、蓮は「もう無理だ」とか言って、あっさりと陽菜に乗り換えた。
——でもね、蓮。
あなたは、どんなに言い訳しても、逃げられないのよ。
マスコミが、真っ先に目をつけたのはあなた。
SNSでは、「彼氏に捨てられて自殺した」 という噂も流れ始めた。
「あのイケメンが透花と別れたせいで、彼女は死んだ。」
今度は世間があなたを「透花を殺した男」として追い詰める。
秋月蓮は透花へ別れを告げた日を思い出し続ける。そして陽菜に会うたびに、それを思い出す。
それに堪えれなくなり
――ついに、蓮は陽菜に別れを告げたのだった。
ふふふ……そうなるのが、あなたたちには
お似合いよ。
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