サン・ルメクス前史

ドニラカ

スポットライトの外

「サン・ルメクス」と聞いてどんな印象を持つだろうか。


 恐らくほとんどの人が悪逆非道の数々を行った独裁国家のイメージを持つだろう。そしてそれはあながち間違いではない。


 サン・ルメクスとその時代に関する物語は、多くの歴史家、作家、芸術家を魅了し、それによって様々な作品を生み出してきた。テレビドラマ、漫画、小説、映画、絵画とイラスト、それに様々な歴史本。例を挙げれば枚挙にいとまがない。


 その多くは国家としてのサン・ルメクスが成立された中期から後期までを題材にしている。人々の興味関心と作品の売上のことを考えれば、この時期の出来事を題材にした方が良いのは言うまでもない。しかし統治組織となる前の、いわばカルト宗教時代のサン・ルメクスもまた興味深いのである。


 が何故か注目されていない。いわばサン・ルメクス前期は中後期の派手さに比べれば見劣りすることは筆者自身も理解するところだが、それにしても……となっているのが正直なところだ。(”なぜ注目されないのか”の部分についてはエンタメ・メディア論者や受容史の先生方に任せるとしよう)


 いわばサン・ルメクス前期はスポットライトの外なのである。


 読者の期待通り、今回の連載を通してサン・ルメクス前期に私が無理やりライトを当てていくのだが、ここで一つ注意点がある。それは私が歴史学者ではなく、ただの歴史好きの端くれだということだ。もちろんある程度の関連書籍や公開論文を読み漁っており、一般の方よりも知識はあるだろうと自負しているが所詮は素人であることはご了承頂きたい。


 また文章の内容としても割と全体の歴史をサラッと流す程度である。もっとギャラと時間があればもちろん頑張るのだが、今のところそうではないので詳しく知りたい方は後に掲載する参考文献をあたって頂きたい。


 さて、前書きはここまでとして早速本題に入ろう。

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