第2話 練習の場所
仮入部期間があっという間に過ぎ、瞬たち三人は、正式に陸上部へと入部した。しかし瞬達以外に陸上部に入った一年生は居なかった…。
「なんでだぁぁぁぁ!!」
「先輩!?」
「おい大雅!大丈夫か?」
「あ…ああ、問題ない…」
「いや、全然大丈夫には見えないが…」
「いや、大丈夫だ…」バァッン!
大雅は目の前にある棚にぶつかった。
「先輩!?」
「う…」
ガチャン
「うっす!」
路気が入って来た。
「よぉ…ロキ…」
大雅が路気に話しかけた。
「せ…先輩!?」
「てか理真先輩、大雅先輩どうしたんすか?」
「いや…俺にも分からん…何故か朝からこうなんだ」
その様に話していると突然、大雅が口を開けた。
「おい瞬…もう入部してくる一年は居ないのか…?」
「はい…残念ながらめぼしい人は…(いや、居る!)」
「やっぱり居ないか…」
「いや、居ます!目ぼしい人います!」
「なぁぁぁにぃぃぃぃ!!」
大雅が瞬にすごい勢いで近づく。
(ちぃ…ちかい…)
「で、誰なんだ?そのめぼしい奴は?」
「それはですね…俺のクラスにいる音越雄斗です。」
「音越雄斗?どっかで聞いたことある様な名前だな?その子がめぼしい奴なのか?」
「はい!その音越は中学二年で全中に出場しているすごい選手です。」
「何!?そんなすごい選手がこの学校にいたのか!!」
「はい!」
突然、進が言った。
「でも…あいつ多分、陸上部に入るつもりないと思いますよ?」
「どうしてだ?」
大雅が不思議そうに言った。
「実は、あいつと部活動説明があった日に少しだけ話したんすよ。でもその時、陸上はもうやらないみたいな事を言っていたんすよね。
「そうか……なぁ、お前らその音越って子を俺に紹介出来るか?」
「まぁ…一応それくらいなら…。」
「そうか!じゃあ早速行くぞ!」
気づいたら大雅の顔には笑みが戻っていた。
「えっ?行く?」
「そうだよ!早く行くぞお前ら!」
大雅は瞬と進の手を引き音越雄斗を勧誘しに行った。
「大雅先輩ーー!それに二人ともーー!」
部室には路気と理真が残された。
「おい、路気どうする?」
「どうしますか…?」
「練習するか…?」
「そうっすね。」
ガチャン
「うーっす。あれ?大我は?」
「ああ、大雅と一年二人は音越って奴を勧誘しに行くって部室を飛び出していった。」
「へぇ〜、でどうすんだ?俺達も探すのか?」
愛斗が二人に聞いた。
「いや、俺達は普通に部活しようかなと思っている。」
「そうか…、分かった。」
「じゃあ、先にメニューの準備をしにグラウンドに行ってるぜ!」
「ああ、すまないな」
ガチャン
部室に一人残された愛斗は部活着に着替えながら勧誘活動をしに行った三人が練習場所を知らなそうだな〜と思い、着替え終ってすぐ親切心で近くにあるホワイトボードに[本日の部活はグラウンド]と書き部室を後にした。
〜一方、音越勧誘隊は〜
大雅達三人は一年四組の教室の前にいた。
「あっ!大雅先輩、あそこの奴です!」
瞬が座る音越を指差し言った。
「あいつか!確かには速そうな奴だな!」
「はい、ものすごく速いやつでした……ん?…先輩?」
「おい瞬!大雅先輩もう中に…」
瞬と進が気づくと大雅は既に教室の中に入っていた。
「あっ…」
瞬達が気づいた時には大雅は音越に接触しようとしていた。
「どうも〜!こんにちは!陸上部部長の新道大雅と言うものです。」
「はい。で…、その陸上部長さんが僕に何の用ですか?」
音越は何故、陸上部の部長が自分のもとに来たのか唖然としていた。
「実はさ君の話を聞いたんだ!どうやら君、すごい選手だったらしいな。」
「いいえ、僕は別に凄くなんかありません。それに誰が僕の事を教えたんですか?」
音越は辺りを見回し、教室の外にいる瞬と進を見つけ、なんとなく理解したようだ。
「それは〜君と同じ世代の子から聞いたんだ。」
「まぁ、それはそうでしょうね。てか、そこに居る二人ですよね?僕の事をあなたに教えたのは」
「すぐバレちゃったか…まぁ、その通りだよ」
大雅は苦笑いを浮かべながら言った。
「てか大雅先輩でしたっけ?」
「ああ、そうだが」
「すみませんが、俺は陸上をやるつもりはありません。失礼します!」
音越はそう言い教室から去ろうとした。しかし大雅が去ろうとする音越に言った。
「なぁ、音越!俺はそこの二人から君の事を聞いた時から、どうしてもうちの部に入ってほしいと思っているだ!しかし君は陸上はもうやらないと言った…。だが俺は諦めないぞ!どんな方法を使ってもお前の陸上魂を刺激して!もう一度、陸上をやりたいと言わせてやるつもりだ!」
「はぁ…。諦めないですか…、まぁ精々頑張ってくださいね、先輩。」
そう言い音越は教室を後にした。
「なんか…、最後まで尺に触るやつでしたね」
「そうかもな…。でも俺達の陸上部に一人くらいあいつみたいなのがいても悪くないな。」
「てか、先輩も中学の時に陸上やってたんすよね?」
進がある疑問をもち大雅に聞いた。
「ああ、やってたな」
「なのに凄いって言われてる音越なんでを知らないんですか?一年は被っていますよね?」
「ん…、そうだな…?確かになんでだろうな?」
「だって、あいつが速くなったのは中二の時からですよ。」
瞬が二人の疑問を一刀両断した。
「そうなんだ~」
「だから、同年代もしくは一つ上と一つ下の人しか知らないんだな?」
「あと二個下も多分あいつの事知らない奴が多いぞ。」
「なんでぇぇ?」
「あいつは、中三になってから突然、試合にでなくなったんだよ」
「それは、どうしてだ?怪我でもしたのか?」
「いや、それは僕にも分かりません。」
そうして三人は部室へ戻りホワイトボードに書いてある[本日の部活はグラウンド]をみてグラウンドに向かった。グラウンドに着くとすぐに理真が大雅に聞いてきた。
「なぁ、大雅!どうだったんだ?」
「えっ?」
「その期待の一年生は?」
「ああ、なかなか手強いやつだな!」
「お前が手強いとか言うのは珍しいな~!」
「まぁ、そうかもな」
「じゃあ、早くお前も練習するぞ!」
「ああ…、それで今日のメニューは?」
「おう!今日は東校サーキットだ!」
「おー!東校サーキットか!」
「てか…東校サーキットってなんすか?」
瞬と進は東校サーキットの事を初めて聞き、そのサーキットの事が何か知りたいと思い聞いた。
「ああ、二人は初めてだったな!では、教えてやろう!我が東校サーキットの内容を!」
「はい!」
どんなメニューなんだろうと二人は思いながら聞く。
「まずはハードルドリルを四種目やる、そしてハードルドリルを終わらせたら次にマーク走を間隔を変えて四本ずつやる、そしてそれが終わったら次に筋トレを各四種目やる、そして次に重りを持ってスクワットとランジウォークをやる、それらをやったら校舎の周りを一周する!それを四セットだ!ちなみに、腹筋トレーニングとハードルドリルはセット毎に種目が変わるからな!わかったなー!」
「はい!」
二人は勢いで返事をしてしまったが、ちゃんと理解出来ていなかった。
「まぁ、ちゃんと理解できてなくてもいい!実際にやりながら教えるぞ!」
そうして、東校サーキットとやらが始まった。
「てか、路気はもうやってるのか?」
「ああ、君ら二人が音越って子を探しに行ってる時からもうやっている。これ、思ったよりだいぶきついよ」
「そうなのか〜」
「おーい!皆やるぞ!」
大雅がそう言うとツッコむように理真が言った。
「俺たちは既にやってんだよ…」
「確かになー」
「てか早くやるぞ!ただでさえもう時間がないんだから!」
「あー!ごめん!じゃあやるぞ!まずハードルをこんなふうに跨いで」
大雅が二人に手本を見せる。
「はい!」
瞬と進は大雅の後を追うように同じ事をする。
「そう!そうだよ!じゃあハードルを全部越えたら30mくらい走って」
「はい!」
三人は30mを走り、ハードルの位置に戻る。その時、進が他の三人のハードルドリルと自分たちのハードルドリルのやっている内容が違うことに気づく。
「ねぇ先輩、なんで俺達と他の三人ではやってることが違うんすか?」
「ああ、それはセットごとにやる内容が変わるからだ。」
「そうなんすか!」
「ああ、それじゃあ、次のやつに行くか!次はさっきと逆向き、つまり後ろ向きでハードルを跨ぐんだ!まぁ、これも見せて方が早いな!」
大雅はそう言いハードルを跨ぎだす。それに続くように二人もハードルを跨ぐ。そうして全て跨ぎハードルの前に戻る。
「いいね!慣れてきたね〜!じゃあ次はハードルステップだ!まぁ、俺と同じようにしてくれ」
今回も二人は先ほどと同じように大雅について行こうとする。しかし進は思ったようにうまくいかなかった。
「な…なんか、むずいな」
進はぎこちなくハードルを越え30mを走ってハードルの前に戻ってきた。
「まぁ、やってればいつかできるはずだよ、気にするな!」
大雅は、なかなか上手くできなかった進を励ました。
「はい、頑張ります…。」
進は少し落ち込んだように答えた。
「じゃあ次はさっきのステップの横バージョンだ!行くぞ!」
そして、三人はハードルドリルを終わらせ次の種目の所へ行った。
「次はマーク走だな!まずこの一番間隔が短い190cm、次に短い195cm、そしてその次に短い200cm、そして最後に210cmだ!それぞれ意識することが違うからな〜、とにかく頑張れ!」
「はい!」
そうして大雅はマーク走に取り組む。瞬と進も大雅に続く。
「うん!その調子だ!」
瞬と進はマーク走を大雅の手本を真似して終わらせた。
「じゃあ、次だな!次は筋トレだな!」
「はい!…で、どんな事をやるんですか?」
「ああ、一セット目は腹筋、腕立て伏せ、プランク、V字腹筋だ!じゃあやるぞ!」
三人は地面に敷いているマットにのっかり腹筋の姿勢をとった。
「じゃあ、20秒間タイマーをかけるから鳴るまで腹筋な!そしてタイマーが鳴ったら10秒間の休憩だ!それじゃあ、行くぞ!」
大雅がタイマーを押した。三人はそれに合わせ黙々と腹筋をしだした。
ピピピピピピピピピピーーーッ
タイマーが鳴った。
「よし!10秒の休憩!てかちょっと音がデカかったな、ちょっと音量下げるぜ」
そう言いタイマーを少しいじった後に大雅は時計を見だした。
「10秒の休憩だな〜」
「4、3、2、1!じゃあ次の種目行くぞ!」
そう言い大雅はタイマーをかけた。
「10秒って短いな…。」
「ああ、そんなもんだよ」
「お前ら〜!ちゃんとギリギリまでゆっくり下ろせよー!」
「はい!」
「4、3、2、1、よし!休憩!」
また、大雅は腕時計をみる。
「次なんだたっけ?」
「次は確かプランクだったはず。ですよね先輩?」
「うん、そうだよ。てかもう始まる!4、3、2、1、はい!」
三人はタイマーに合わせプランクを始めた。
「お~い、腰下げすぎるなよ〜」
「はい!」
「瞬ちょっと腰が下がってな〜い?」
「進こそちょっと腰を上げすぎじゃない?」
「お前らどっちも力みすぎー!変な力いれるなよ〜!」
「うぃーす」
そう言い二人はフォームを変えた。
「うん、そんな感じだな!……4、3、2、1、よし!休憩だ」
大雅はまた腕時計で時間を確認する。
「……4、3、2、1、開始!」
三人はタイマーに合わせV字腹筋を始めた。
「てか、先輩のその時計なんすか?」
「おお?この時計か?」
瞬は頷く。
「これはアップルウォッチだ、心拍数とかも取れて便利なんだよな〜」
「そうなんすね〜、でも陸上の大会や記録会でアップルウォッチを使えるんすか?」
「あー、そこら辺は分からんなー、俺はレースの時は時計を着けないからな〜、もしそう言うスマートウォッチを使っていいかが知りたいのなら長距離の愛斗に聞いたほうがいいよ〜、あっ!話してたらもう時間だな!4、3、2、1、よし!10秒休憩したら次行くぞー!」
そう言い大雅はまた時計で時間を確認する。
「なぁ、瞬…よくV字腹筋しながらあんな話せるな…」
「まぁ、中学からやってるから慣れてるからな」
「よしお前ら次行くぞ!」
大雅そう言い、三人は次の重りを持ってスクワットとランジウォークをやる場所に移動した。
「よし次の種目はランジウォークとスクワットを重りを持ってやる事だ!じゃあ、行くぞ」
「はい!」
そうして三人は重りを持ってランジウォークを始める所まで行く。
「じゃあ、こっから30mの所に目印のコーンを置いたからそこまでランジウォークをやってくれよー!あと前の奴との間隔を開けろよ」
「はい!」
そうして大雅は二人が返事をしてからすぐにランジウォークを始めた。大雅が5mくらい行ってから、瞬もランジウォークを始めた。進も前にいる瞬が5mくらい進んでからランジウォークをスタートした。
「これもちゃんと重心を落とせよー!あとちゃんとハムに効くようになー!」
「はい!」
最初は三人ともそこまできつくなく余裕があったが、後半になるにつれ余裕がなくなってきた。
「おい…瞬!これやばいぞ!もうケツとハムがだいぶヤバい!」
「ああ、まじでやばいな…、だがこのセットではあと一回だ!」
「このセットではなんだよな…」
「まぁ、一セット目ももう終るんだから気にすんな!……てか先輩もう行ってんじゃん!」
そう言い、瞬はランジウォークを始めた。
「いや、関係ないだろ!……まぁ、俺もやるか」
そうして進も瞬の5m後からランジウォークを始めた。
「ハァ…ハァ…(や、やばい…まったく足が上がらない……)。」
進は結構きつそうにしながらも重りありランジウォークを終わらせた。その進を見て大雅が言った。
「よし、よくやった!次の重りありスクワットに行くぞー!」
そうして大雅は重りを持って俺達を手招きする。
「おい進、行くぞ」
「ああ…そうだな」
二人は手招きするする大雅の方へ向かいランジウォークをやった場所から少し移動した。移動して早々大雅が言い出した。
「じゃあ、スクワット20回×4いくか」
「まじすか!?」
ランジウォークからスクワットの間隔があまりにも短いため二人は驚いた。
「ああ、まじだ。俺達も最初にこのサーキットをやった時はそんな反応だったよ…。まぁ、やってれば慣れるから♪じゃあ行くよ!」
「慣れるからって…」
そうして三人はスクワットを始めた。
「いち!」
「にぃ!」
「さんっ!」
「しー!」
・
・
・
・
「じゅうく!」
「にじゅっ!」
「よし!10秒の休憩!」
重りありスクワットをやった進はもう限界そうだった。
「おい…進?大丈夫か?」
「ああ…、ちょっとやばい…」
「おー?大丈夫か?あまり無理すんなよー」
「はい…。」
「じゃー行くぞー!」
「!?」
重りありスクワット二周目が始まった。
「いち!」
「にぃ!」
「さん!」
「しぃ!」
・
・
・
・
「にじゅ!」
「よし休憩だ!」
進むが重りを下ろし地面に座る
「ふぅ…やばいな」
「おい進、重り下ろしたら乗せる時、きつくないか?」
「まぁ、そうかもな。でも、休憩だし下ろして楽にした方がいいだろ?」
「いや、でも休憩10秒だよ?10秒なら下ろさないでやったほうが楽じゃね?」
「あっ、そうか!」
進は重りを肩に乗せた。進が重りを乗せてすぐに大雅が言った。
「おい、お前らスクワット行くぞ!」
重りありスクワット三週目が始まった。
「いち!」
「にぃ!」
「さん!」
「しぃ!」
・
・
・
「にじゅ!」
「よし休憩!」
進と瞬はこの時点でもう限界に近かった。これがあと3セットもあると考えると途方もない。
「なぁ…瞬さ、路気のやつはこれをもう一回以上はやってんだろ?」
「二、三セット目のどっちかでなはずだから一回はやってるな」
「なのに、さっき会った時、普通に動けてたよな…?」
「うん」
「あいつすげぇーな、俺たぶん一セット目で動けなくなりそう…。」
「まぁ、頑張れ」
「よし!お前らいくぞー!」
一セット目ラストの重りありスクワットが始まる。
「いち!」
「にぃ!」
「さん!」
「しぃ!」
・
・
・
・
「にじゅう!」
「よし!次!」
「!?」
大雅の言葉に二人は驚く。
「どうした?早く行かないのく?」
「休憩は…?」
「ああ、校舎一周したら休憩だよ!」
「え…?」
「さぁ、行こう!」
半ば強制的に二人は大雅に校舎一周ランへ連れてかれた。
「おいおい、お前ら遅いんじゃないのー?」
「いや、大雅先輩が速すぎるんすよ!」
大雅の走りはとてもさっきのメニューをやった後の走りとは思えないほど速く綺麗な走りだった。何とか二人は大雅について行こうとするがとても厳しかった。二人はどんどん大雅との距離を離された、そうして大雅が見えなくなってからしばらく走って二人は一周をしおわり、フラフラになりながら大雅の所へ向かう。
「おう!終わったか!ご苦労さん!じゃあ15分間の休憩ね!」
そうして二人に話したあとに大雅は何処かに行った。
「はぁ…やっと終わったぜ、一セット目が…」
「ああ、そうだな一セット目がな…」
「あとコレと同じ様なのが三回…。」
「まぁ、今は休憩だ、キツいことを考えるな」
「確かにな!じゃあ、水でも飲みにいくか!」
「急だな!てか元気だな!」
「そ、そうか…(お前も元気な気が…)」
二人は水を飲みに冷水機の所へ行った。そしてそこには大雅の姿があった。
「うっす!」
「ん?あっ、うっす!…てか瞬と進も水飲みか。」
「そうっすね〜」
「まぁ、それはそうか…だって冷水機の所に来たんだもんな〜」
「はい〜、めちゃくちゃ喉が渇いたんでねぇ〜」
「てかさ君たちさ、この東校サーキットの一セットを入部したてでやってしかもこんなピンピンしてるって普通にすごいね!俺が一年生の最初らへんでやった時は一セット目が終わった後にはもうまったく動けなかったもん。」
「そうなんすねー、でも僕達もピンピンしてるわけじゃないっすよ、もう限界に近いっすよ」
「そうなんだ〜、とにかくがんばって!じゃあ、俺は先にグラウンドに戻ってるから」
そう言い大雅は走って戻っていった。
「なんで、あんなに走れるんだ…?」
「俺にも分からん…」
「でも、あの人を見てるとやる気が沸いてくるんだよな!」
「えっ?なんで?」
「いや、何でなのかは分からないけど…、なんか勇気をもらえる感じがある」
「へぇ~」
「まぁ、行こうぜ!」
そうして二人はグラウンドへ戻った。すると大雅が走って来た。
「やっぱ楽そうだよね〜君達」
「そうすか?」
「うん、だってロキもピンピンしてたもん」
「それはあいつが凄いだけっす」
「そうなんだ~、あともう少しで始まるから準備しといて〜」
「もうー!?」
「ああ、そうだ!」
「まぁ、いいすけど」
「じゃあ、行くぞー!!」
〜フェンスの向こう側〜
「まるでお遊びみたいな部活じゃないかよ…。」
そう言い音越が去っていった。
フィニッシュライン 竹たけ @R-TEI
★で称える
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