第7話
あれから何日か経った後、僕は街を歩いていた。
医者という職業は忙しいが、その分給料もいい。
その貰った給料の使い道なんて無いに等しいが、僕は決まって月に一度趣味に注ぎ込むのだ。趣味というか、コレクションだな。
そんな時、よく見慣れた姿が目に入った。
彼女は今日も艶やかな黒髪を靡かせて、すらりと長い脚で華麗に歩いてみせる。
しかしいつも僕が目にする松葉杖は見当たらなかった。
「今日はありがとう。とっても気持ち良かったわ」
くるりと振り返った彼女の先には見知らぬ男。
彼女の口から出た内容からも、“今日の相手”だと瞬時に理解する。
そのまま別れを告げた彼女は、数メートル先の僕を視界に入れ――――そのまま身体を翻した。
「っ、」
その瞬間、僕の中をどろりとした感情が支配する。
いつものゾクッとする感覚とはまた違う、とてもじゃないが美しいとは呼べないもの。
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