第22話

スカイは、ポイズンベアーズから、じろじろと見られていた。

リジェイラは、上から睨みつけていて、スカイは疲れで下を向いている。

「どうしても、俺と話が出来ないらしい。」

リジェイラも疲れ始めていたのか、

声の荒々しさは、なかった。


スカイは今までに、何回水をかぶったのだろう。


誰もが、他の方法で簡単にスカイを吐かせることが出来たのを、知っている。


水をかぶせることでさえ、スカイの命にかかわる事を、皆 知っていて、数人、止めに入った。


何故かスカイに、情が出てきているようなのは、間違いなかった。


スカイは、あの女の子と食事をして、何かわかってきた。

(…父さんと母さんが、病気になったから、ぼくは何とも思わないけど、シティーの人達は、パープルの目の人との接触を避けてた。

でも、ぼくがこの子の使ったスプーンで食事したから、ぼくはこの人たちを差別してない事が、伝わったんだ。)


病気の感染を信じないスカイを、

少し気に入った者たちが

ここにいるようだ。


低体温状態のスカイは、あと数回水をかけられた後、自分が死ぬ事が分かっていた。


(悪い事をしても、正当化しているこの集団は、自分のしていることに気付いてない…だから、ぼくはこの人たちを やっぱり悪人だと思う。


…死ぬつもりはないけど、見張られてちゃ ぼくはなにも出来ない…

たとえ、逃げ出したとしても、家には帰れない。

いつまでも、この人たちから、追いかけられる羽目にもなる。

助けが来てくれればいいのにな…。)


あきらめと皮肉で、ため息さえも出ない。

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