第4話

「スカイも、もっと喋るといいのに。

あ、さっき、スカイのお父さん達の話しして ごめんね。

つつくとこじゃなかったよ。」

ブラウンの目のクッキーは、椅子から下りると、

「ところでスカイは、お父さん達が残していった財産で食べてるよね。

本当は、もうそろそろ働いて食べたいんじゃない?

わたしの倍、生きてるんだから、もう16歳かぁ、…ねえ、やっぱり画家になる?」

「ぼくの目には、真実しか映らないんだ。」

「…?何それ。」

「もう、芸術家のネタが、出しつくされちゃって、そんな世界で、僕らは生きている。

で、真実しか見えないぼくの目は、写真のカメラレンズと同じ・・・。

そのまま絵を描いても、まるで写真。

それでいて、絵より写真の方が正確。

正確なものだけじゃ、写真の方がいいってこと。

写真以上のものが見えないと、芸術家じゃないってこと。

ありふれた世の中の物たちに、ぼくの絵は ただ埋もれるだけなんだ。」

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