彼方を望む

由羽

プロローグ

 あの幸せな3年間を決して忘れはしない。



 無難なAラインドレス、繊細なレースのベールと美しく仕上げられた私自身。


 幸せ者だと幾人にも言われた。羨望も嫉妬も私の元へ届き、私と一生を共に歩む人の人間性を見た気がした。



  

「ちさ」

 

「はい」

 

「とっっても綺麗だ」

 

航平こうへいさんも素敵ですよ」


 


 私の頬を優しく撫でる人は、幸せそうな表情をしている。ここまでくるのに10年。私の弛まぬ努力が最愛の人を幸せにする。そう信じている。




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