第6話 これが魔王への道のりってわけか

言い忘れていたことがある。すべてのモンスターを倒し、ラスボスである悪の魔王、デビルを倒し終えると、自分自身が魔王になって、理想の世界を作り上げることができる。そのためには、ジョセフたちより早くモンスターを倒していかなければならない。簡単な話ではないが、そこまで難しい話でもない。この天才、鬼頭流星、いや、ルーカスの手にかかれば。それに、ここはあくまでもゲームの中だ。日本で社会制度の仕組みを変えたり、政治を変えたりすることに比べればよほどハードルが低い。チート能力も使えるしな。さてと、まずはレベル3のモンスターを探さなきゃな。彼らは3体1組で生存している。それが13ペア存在する。まず手始めは占いだ。北西479kmに1体の組を発見。これは少々長い旅になるな。俺たちは歩いて旅に出ることにした。途中で飢餓に苦しむ子どもたちや農民たちの姿が目に映った。俺たちは彼らに木の実を与えた。満足できるかどうかはともかく、ひとまずこれで餓死することはないだろう。更に歩いていくと、倒れている鳥が目に映った。栄養失調だろうか。痩せ細って苦しそうにしている。俺は彼に木の実を与えた。目の前の鳥はそれをものすごい勢いで食べると、礼を述べた。

「ありがとう、君は命の恩人だ。」

「おまえ、喋れるのか?」

「そう、僕は言語能力に卓越した鳥。人間の言語だけでなく、他の動物の言葉、物の言葉までもが手に取るようにわかる。」

「へぇ、そりゃぁ便利な能力だな。」

「助けてもらったお礼に、君たちに協力したい。僕も仲間に貰って良いかい?」

「もちろんさ。仲間は多いほど心強い。で、君の名前は?」

「僕の名前はアスカ。」

「よろしく、アスカ。」

仲間が結構集まってきたな。なるほど、これが魔王になるための道のりってわけか。

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