検体というのは、一人の人間が生涯を終える際、人間社会に対してとれる最大の貢献の一つではあるのでしょうが、同時に忌避の感情も強いものですよね。作者はグリム童話の一つの作品を引用しますが、たしかにあの童話の自己献身は『検体』を思わせ、同時に検体に関する一つの答えなのかなと思いました。気づきのある良い作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(361文字)