第34話 ストレス溜まると、異世界転生したくならない?
「兄さま、そもそもストレス対処法が上手なんですか?」
「下手くそだな、めちゃくちゃ溜め込むタイプ」
ストレスを抱え込んで、爆発するタイプ。
めぐりに赤ちゃんになりたいと言ってしまったのもストレスが爆発した結果だ。
「ストレスを適切に解消することをコーピングと言うんですが、それをやってみましょうか」
「具体的にどうするんだ?」
「カラオケで叫ぶとか、運動をするとか、思いを日記に書いて書き殴りその後ビリビリに破り捨てるとかあります」
急に鈴奈がドヤ顔になった。
「私は理不尽というものは芸能活動で嫌というほどを経験していますのでとにかくストレス発散法には詳しいのです! 怒りをコントロールするアンガーマネジメントですね!」
「さすがだな、頼りにしてるわ」
そう言って、鈴奈はパンと手を叩いた。
「というわけで、兄様、web小説、できれば異世界ファンタジーを作りましょう」
「なんでだよ!」
鈴奈は真顔であり、俺の反応にも動じない。
それどころか、不思議そうに首を傾げる。
「兄様、これは心の防御反応である昇華と言われる立派なものですよ?」
「昇華ってなんだっけ?」
めぐりがひょっこり顔を出してきた。
「歩夢くん、昇華はね、怒りなど本来否定的な衝動を建設的な方向に置き換えることだよ、仕事で成果を出したり、スポーツの大会で優勝したりとか怒りのエネルギーのぶつける方向を変えちゃうことなの」
「なるほどな、創作もその一部ってことか?」
鈴奈が強く頷く。
「異世界ファンタジーは現実の不満を解消して、願望を叶えてくれるものが多いです。この辺はビジネスと同じです。商品の基本というものは、不満や悩みを解消するからですね」
指をピンと立てている。
「だからこそ1番お手軽な現実逃避であり、ストレス発散方法は異世界ファンタジーを書くことだと言いたいのです」
鈴奈が胸に手を当てて、目を瞑る。
「異世界ファンタジーは現実逃避をさせてくれて、辛い現実を忘れることができ、自分の欲望を思う存分叶えさせてくれる擬似体験をしてストレス発散になるからです」
鈴奈がつらつらと語りだす。
「創作なんていきなりハードル高いだろ、鈴奈」
「それは楽しそうだね、鈴奈ちゃん」
俺が納得しない一方、めぐりは笑顔だ。
「とりあえずモテたいなら、貞操逆転した異世界に転生してしまうとかがいいんじゃないですかね?」
「いや、パッと思いつかないわ」
鈴奈がうーんと唸る。
「貞操逆転ものなら、女性が女性と2人で子供を産めるようになるけど、男性と女性の場合だと優れた子供が得るという世界はどうですか?」
「どうしてそうなったんだよ!」
「アブラムシはそういう仕組みですから」
「人間と昆虫を一緒にするなよ」
鈴奈は俺のいうことを気にせず、すらすらと紙に何かを書き始める。
「冒頭はこんな感じですわ」
※
男は存在する必要があるか?
そんなことを考えたことがあるだろうか。
これに関連した、生物学上で有名な未解決問題がある。
多くの生物が有性生殖で繁殖するのはなぜか。
人間の場合はある。
この話はその前提が壊れてしまい、女は女だけとも男性が必要かどうかそもそも問われるようになった話である。
※
「固ぇよ!」
「没にしましたわ」
「だよなぁ、読む方もなんの話だよって混乱するわ!」
鈴奈は目を爛々とさせている。
「じゃあ、くだらない男しか見つからない中、モテる男が調子に乗りまくり女が男に泣く泣く迫ったり、それ以外の女も性欲モンスターとして襲ってきて、女性がゾンビ扱いされている中、主人公がだいぶまともで一途な恋愛を築きたいけどそれができないから女ゾンビたちを更生させて、ハーレムを築きまくる物語。自分の好きなアイドルがモンスター化して再び人間に戻るのを見たいだけの主人公ならどうですか?」
「なんでゾンビものになってるんだよ」
「ゾンゾンびよりですわぁ」
「ゾンビものが好きなのか?」
「いいえ、全く」
「じゃあなんで書こうと思ったんだよ!」
鈴奈はぷくっーと頬を膨らませる。
「そんなにいうなら、兄様も考えてください」
え、そんなことを言うのか。
ケータイを見て、カクヨムのランキング小説を眺める。
自分なりにアレンジをしてみることにする。
※
10分後。
「禁術の魔法の才能だけ凄すぎる俺が
大人気声優アイドルを禁断の技で助けたが、
恋人になって欲しいと言われたが、
絶対に世間にバレてはいけないし、熱狂的なファンに殺されるのが怖いから雲隠れする
〜で、なぜか幼馴染と学園1の美少女に言いられるんだが
ってどうだ?」
「モデルは私と美咲さんとめぐり姉様ですか?」
「悪いかよ、俺の頭じゃあこれしか思いつかなかったんだよ! めぐりなんとか言ってやってくれ」
「おじいちゃんも面白いことに言ってたよ」
めぐりはほんわかとした笑顔を浮かべる。
「じいさん転生〜高性能じいちゃん、異世界で無双する」
「まんま、貫徹さんじゃねぇか!」
あの人本当に自由だな。
ケータイをいじりだすめぐり。
すると、めぐりが口に手を当てた。
「あっ、もうおじいちゃんカクヨム投稿中で今、84話目だった、⭐︎は38だね」
「本当にあの人は何をやってんだ!」
カービィのRTAに、スマブラ、それにカクヨムでの執筆?
しかも、月華新陰流の達人。
高性能じいちゃんにも程があるだろ。
「コメント結構熱いよ、このおじいちゃんかっこいいって!」
めぐりがケータイを見せている。
コメント欄は貫徹さんの書いたじいちゃんキャラに対する絶賛の嵐だった。
「さぞかし気持ちいいんだろうなぁ」
「カクヨムはすごい癒しだって言ってたよ、おじいちゃん」
「でしょうね!」
貫徹さん、いつも笑顔で楽しそうだったが、そうやってストレスを解消していたからとやけに納得した。
「鈴奈も書いてますよ」
鈴奈がケータイで見せてくれた。
義妹パラダイス〜結婚してくれと迫られてまくってます
「まんま、鈴奈じゃねぇか!」
「R18描写を入れまくって、エロすぎて一度違反になったので削除したものです」
「何やってんだよ!」
自業自得じゃねぇか。
「1日で⭐︎は1000を超えたんですけど、一瞬の煌めきでした、星だけに」
鈴奈はふっと笑っていた。
何も突っ込むことができない。
すごいんだか、すごくないんだから分からない。
鈴奈は綺麗な笑顔を見せる。
「ガイドラインは守りましょうね」
「すごい説得力あるなぁ!」
「歩夢くん、私たちも鈴奈ちゃんとおじいちゃんを見習ってやろう!」
「めぐりは何を書くんだ?」
「転生したらピカチュウになった件」
「可愛いなぁ!」
その後、喋りながらワイワイと小説を書いてみた。
ちなみに肝心な内容はと言うと、恥ずかしいのでもっと自信を持ってからネットに公開することにした俺だった。
もし公開した時、⭐︎が一つでももらえるように。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
というわけで、ストレスの発散の仕方を学ぶ回、おふざけ回でした。
アブラムシ、ゾンゾンビより、じいちゃん無双、義妹パラダイス、歩夢くんのあげたやつ、ピカチュウ転生など本当に読みたいものありましたか?
もしよかったらコメントで教えてください。
ピカチュウ転生はまぁさすがに厳しいんじゃないでしょうかね。
ポケモン ダンジョンやんと思います笑
ちなみにその転生したピカチュウは最強の剣豪になります。ピッカ新陰流を身につけちゃいますと裏設定はたくさんありますけど、さすがに書かんでしょ笑と思います。
もし、
めぐりちゃん大好き
鈴奈ちゃんかわいい
じいちゃん面白い
この話が面白い
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回はちはるさんとめぐりがバトります。真面目も真面目な回、第3部のクライマックスとも言えるし、前座とも言えます。
めぐりちゃん頑張っちゃいます。
引き続きお楽しみくださいませ。
次回の公開日は6月1日6時頃です。
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