第29話  負けヒロインは多すぎではないよ?

 美咲ママ、育代さんに俺は迫られていた。


「歩夢ちゃん、美咲ちゃんをもらわないのはなんでなの?」


「いやっ、そんなこと言われましても」

 

 これになんて答えればいいんだ。

 めぐりという彼女がすでにいるんだ。

 当のめぐりは「あはは」って笑っている。

 他人事じゃないってば。


「世界で1番可愛い女の子は美咲ちゃんなのよ」

 

 美咲ちゃんは両手で顔を覆っていた。

 耳まで真っ赤だった。


「めぐりという彼女が……」


「美咲ちゃんが可哀想じゃないの、負けヒロインが多すぎるなんて需要がリアル世界でもあるわけじゃないわよ」

 

 無駄に心に刺さるのでやめてほしい。


「ママやめてっ!」

 

 美咲ちゃんが声を少し荒げても育代さんは止まらない。


「歩夢くんが美咲ちゃんというお隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件どうしようかしら? しょうがないわよね、美咲ちゃん天使ですもんね、いえ、もはや大天使ガブリエルかしら? ラファエル? ラファエルよ! ドラえもんのリルルと同じ天使そのものなんだわ!」


「ママは重度のアニオタなんです、話が通じないのは許してください」

 

 美咲ちゃんは申し訳なさそうだった。

 そもそも隣に住んでいるわけじゃないと突っ込むことからして野暮なんだろうが、きっと言いたいことを言っているだけだろう。


「世界の中心で美咲ちゃんへの愛を叫ぶわ」


「はぁー」


「世界の中心ってウルルかしら? 今度行こうかしら?」


「本当に行きそうだからママやめてねっ、ママの最大の欠点でもあり長所は行動力がありすぎることだから」

 

 美咲ちゃんは呆れていた。

 いつも苦労をかけられてるんだろうなぁ。


「私は海夢ちゃんと同じなのね! すごく嬉しいわ!」


「確かに着せ替え人形の海夢ちゃんは行動力すごいですけど、私に五条君みたいに突っ込んで欲しいんですか?」


「大丈夫、私最強だから」


「そっちは五条先生です。五条違いです」

 

 美咲ちゃんはジト目だ。

 育代さんへの対応も手慣れた感じだ。

 それこそ毎日がこんな調子なんだろう。


「尊敬はしていても信頼はしていません」


「急にナナミンしないでください」

 

 今度は若干怒っている。


「滅びのバーストストリーム」


「声優つながりでいきなり社長にならないでください」

 

 美咲ちゃんは少し疲れて、ぜぇーはぁーしている。

 こんなに続け様に対応できる美咲ちゃんがすごいとしか思わなかった。


「兄様、今の所、その着せ替え人形は恋をする、呪術廻戦、遊戯王の話を育代お母様はしています、ついていけますか?」


「いいや、全く」


「話が飛びまくる女性もいますから、育代さんはすごく飛んでますけど」

 

 鈴奈がヘルプをしてくれた。

 よくもまぁ美咲ちゃんついていけてるなぁ。

 育代さんは不適な笑みを浮かべる。


「愛情力たった5のゴミめ」


「いいえ、勘違いしないでください、歩夢先輩への私の愛情力は53万です」

 

 育代さんは今度は拳を高くあげる。

 美咲ちゃんもなんだかんだ乗っている。


「ビックマムに私はなる」


「食い患いはすごく迷惑です!」


 育代さんは遠い目をしているのに、やっぱり美咲ちゃんは突っ込んでいた。

 育代さんはいろいろと表情の変化が激しい人だ。


「美咲ちゃんは歩夢君の母親になっていたかもしれない女性よ」


「いつも3倍の赤い人が言ってそうですね」

 

 美咲ちゃんはやっぱり呆れていた。

 ちなみにめぐりはずっと笑っている。

 喋る隙間もないぐらい笑ってる。


「この程度のアニメネタがわからないなんて、本当ばかばっか」


「そんな機動戦艦ナデシコのルリルリみたいに言わないでくださいよぉ、せっかくならあんたばかぁも欲しくなります」

 

 鈴奈も乗っかっていた。

 非常に楽しそうだった。

 育代さん、鈴奈が突然キメ顔を見せる。


「せめて左手は添えるだけ」


「兄様、まだ慌てるような時間じゃないよ」


「機動戦艦ナデシコ、エヴァンゲリオン、スラムダンクってなんで1990年代のアニメの話をしてるんですか、令和に帰ってきてくださいな」

 

 今度は美咲ちゃんが解説してくれた。

 パロディの元ネタ本当わかんないなぁ。

 1990年代じゃあ流石にきつい。

 スラムダンクぐらいなら聞いたことがあるのもあるけど。


「せぇーの、そんなんじゃだーめ」


「美咲ちゃんの恋愛サーキュレーション」

 

 鈴奈がふざけて、育代さんが乗っかる。


「声優ネタまだ続くんですか? 一花さんも天使ちゃんも撫子の人って言ったいいのかな?」

 

 美咲ちゃんが、かな?をやたら強調していた。

 そんな名前の有名な声優さんがいたような。


「ご注文は兎ですか、いいえ、世界一可愛い美咲ちゃんよ」


「思わず心がぴょんぴょんしちゃいますね」

 

 やっぱり鈴奈と育代さんがふざけていた。


「あらやだぁ、これだと三等分の花嫁よ、2人足りないわ、ママも入ろかしら」


「そもそも私たちは三つ子じゃありません、どこのおそ松さんですか?」


「私はカラ松派よ、可愛いわ」


「聞いてませんよ、私は一松派ですけどってそうじゃありませんよ!」

 

 鈴奈がひょっこり美咲ちゃんの肩から顔を出す。


「鈴奈は十四松ですね」


「鈴奈ちゃんも黙って」

 

 美咲ちゃんは呆れていた。

 急に育代さんは顔を上げた。


「そうだ、神様にちゃんと宣言しておかないと」


「急にどうしたの、ママ?」

 

 美咲ちゃんが不安げな顔を浮かべる。

 俺も少しだけな予感がする。


「ただの美少女には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、ママのところに来なさい。以上」


「嫁探しの宣言でそれだけはあり得ません! 私の気分はハルヒ以上に憂鬱です」

 

 やっぱりパロディだった。

 これは聞いたことはある。

 きっと有名なんだろう。


「しまったわ、データベースは結論を出せないわよ」


「氷菓が大好きな人でもそんな評価はしませんから!」

 

 美咲ちゃんが育代さんに突っ込んでも育代さんは飄々としていた。


「なんだかなぁ」

 

 育代さんはフラットな口調でそう述べた。


「冴えない彼女でも育てたいんですか?」

 

 美咲ちゃん、キレキレだ。

 俺はよく分からないけど。


「人生ってなんだっけ?」


「CLANNADよ!」


「そういうことを聞いてるんじゃありません!」


「兄様、人生はCLANNADという常識ワードがあるんですよ」


「鈴奈ちゃん、お兄さんが誤解するような言い方やめてね、そう言いたいぐらいいいアニメだって意味ですからね」


「あんぱんっ!」


「鈴奈ちゃん、通じる人しか通じないよ」


「うぐぅー」


「同じkey作品でもKanonは分かる人にしか分からないんってば、令和の人には優しくないよ」

 

 育代さんが美咲ちゃんに微笑みかける。


「美咲ちゃんは通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」


「ゲームの話を私は今はしてません!」

 

 鈴奈が俺に擦り寄ってきた。


「私の推察によると、美咲さんの場合、これが毎日続くんで愛されることにも飽きたんじゃないか」


「鈴奈さんちゃんの仮説はあってそうだね」

 

 めぐりと鈴奈が落ち着いている。

 ちなみにここまでめぐりはこの2人の会話を終始笑っていたので、やっと喋れたことになる。

 こんな勢いのすごいママさんをめぐりはよく平気でいられるなぁ。


「それにしても」

 

 育代ママはキュピーンと目を光らせる。


「うちのママは行動力の化物でそれで全てを解決できる、ある意味、相当の天才で真似しちゃいけない生物ですからね」

 

 美咲ちゃんはめちゃくちゃ細かく分析していた。

 実の母親を生物って。


「私は自分で考えて、自分で決めて、自分で動いて常に生きていますのでね、動けばなんとかなるという母を反面教師にしたって結果ですけどね」


「美咲さんぐらい客観的に物事を捉えることができる人であれば、そりゃあ自立できますわね」

 

 鈴奈がふむふむと頷いていた。

 めぐりは鈴奈の言ってることがよくわからないらしく、「美咲ちゃんはお母さんに溺愛されてるんだねぇー」とニコニコとしていた。


「美咲ちゃんを歩夢君のハーレムメンバーにするのは?」


「それについては育代お母様、私も賛成です」

 

 鈴奈が楽しそうに笑っている。


「ママ」

 

 美咲ちゃんのこめかみがピクピクとしていた。


「めぐり先輩、歩夢先輩に迷惑をかけないでください」

 

 めぐりはとても不思議そうな顔をしていた。


「迷惑じゃないよ?」

 

 美咲ちゃんは「えっ!」と驚く。


「歩夢君次第だよ、2人目の側室になりたいならなればいいと思うよ、美咲ちゃん」


「社会的にいろいろダメですよっ!」

 

 やっぱり美咲ちゃんは怒っていた。


「育代お母様、異世界転生して見せますので待っててくださいね、そしたらハーレムは可能です」


「まぁ待ってるわ、この世界に素晴らしい世界に祝福をって叫びまくっちゃうわね」


「もうパロディに付き合うの終わり!」

 

 俺は美咲ちゃんがすごいなぁとつくづく思うのだった。

 見習おう。


◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆


ここまでお読みいただきありがとうございます。


パロディ回、あるいは、育代回ですね。

タイトルの時点でパロディですからね。


パロディ元は、負けヒロインが多すぎる、お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件、世界の中心で愛を叫ぶ、機動戦艦ナデシコ、One Piece、化物語、Angel Beats! 新世紀エヴァンゲリオン、スラムダンク、機動戦士ガンダム、冴えない彼女の育て方、その着せ替え人形は恋をする、遊戯王、Kanon、CLANNAD、氷菓、ご注文はうさぎですか、涼宮ハルヒの憂鬱、通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか、ドラゴンボール、ドラえもん、おそ松さん、呪術廻戦、五等分の花嫁、この素晴らしい世界に祝福を!


の25個です。


いくつわかりましたか? 

コメントで教えていただけたら幸いです。


それから


もし、


美咲ちゃん、可愛い


鈴奈ちゃん、可愛い


育代さん、面白い


めぐりちゃんも可愛い


と思ってくださいましたら、


♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。


レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。


次は貫徹さんの話です、すごくまじめだけど、すごくふざけている話です。


公開日は5月26日6時頃です。


お楽しみに!

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