第16話 バブみといえば、えっちなこと
「兄様、だーいすき」
「うぐっ!」
朝起きて、キスで起こされた。
ギリギリ舌は入らなかったが、呼吸を奪われた。
鈴奈の目はとろんとしている。
朝の光がやわらかく降り注ぐベッドの上、彼女はまるで意図的にこちらを挑発するような姿勢で膝を立て、身を乗り出して、胸の谷間を自慢げに見せてきた。
光を含んだ黒髪は絹のように艶やかで、それすらも官能的に見える。
ひとまず一つツッコミがある。
「なぜ猫耳?」
「猫カフェ行きましょうよ、兄様」
頭に乗った猫耳が、ほんのわずかに揺れて、彼女が生きて、そこにいるという実感を妙に生々しく引き立てていた。
答えになっていなかった。
「あのさ、恥ずかしくないのか? その格好」
「兄様を誘惑するためですもの、それなり恥ずかしい格好をしませんと」
鈴奈はにやりと笑う。
彼女の纏うルームウェアは、淡いブルーに白のフリルが縁取られたガーリィなデザイン。
だが、その愛らしさとは裏腹に、生地はゆるく肩から滑り落ち、片方の襟元は大きく開いている。
ふっくらと豊満な胸の谷間が惜しげもなく露わになり、リボン一つで辛うじて少女の顔を保っているかのようだ。
リボンの下、肋骨のあたりまで押し寄せるボリュームのある乳房は、柔らかそうで、どこまでもリアルだった。
なんかエロい気分になってくる。
太ももまで届くシャツの裾からは、同じ色合いのショートパンツが覗き、その下からのぞく生脚は、艶を帯びた白磁のよう。
膝をついたことで自然と腰が突き出され、背中から尻にかけてのなだらかな曲線が、布の薄さゆえに想像以上に感じ取れてしまう。
鈴奈はすごく楽しそうに笑っている。
どこか無垢で、それでいて明らかに俺のことは何もかもわかっているという笑み。こちらの視線がどこに向かっているのか、何を期待しているのか、全てを読み切ったうえで、あえて演じている。まるでその体を見て欲しくて、そこに座っている。
その全てが、いやらしさではなく、美しさとして成立していることが、かえって背筋に熱を走らせた。
甘くて、柔らかくて、抗えない。
俺の義理の妹なのに鈴奈という存在は、理性と欲望の境界を、何の前触れもなく溶かしてしまうのだ。
長々と言ったが、一言で言うと、すんごくエロいってこと。
「兄様、お手はこちらに」
鈴奈の両手は俺の右手を掴み、そのまま鈴奈の胸を揉ませる。
柔らかいが。
「おいっ」
「義妹の揉めるGカップおっぱいですよぉ〜」
鈴奈はニタニタとしている。
わざとらしく「あんっ♡」とか喘ぎ声まで出す。
なんか幸せそうでもある。
いい加減にしろ。
「はしたないことをやめろってば」
「何を言ってるんですか? 私は義妹である前に一人の女ですよ? テント立ってますよ、説得力ありませんよ、うふふ」
「俺も男だから、いや、何言わせんだよ」
「ほぉーら、兄様、わたしにおぎゃってください」
「そう言う趣味はない」
「どうしましょ、兄様の愛人、それでも構わないと思う自分がいます」
「俺をこれ以上変な道に誘わないでくれる?」
鈴奈はいつも通りニコニコとしている。
「鈴奈ちゃん、何してるの?」
いつの間にか近くにいためぐりの声が聞こえた。
ニコォ〜と笑った顔だが、いつもと雰囲気が違う。
めぐりの笑顔がなんか怖い。
「私にバブみを感じてもらうために愛を育んでるんですのよ、めぐり姉様」
「もう歩夢くんを甘やかすのは私の役割だよ!」
「そっちなのかよ!」
俺思わず叫んでしまう。
「私は猫になりたい気分ですので、じゃあ猫に触りに行きましょう」
「それはすごくいいアイディアだね、鈴奈ちゃん」
「そこはいいのかよ!」
めぐりは鈴奈が俺に誘惑したこと以外にはとても寛容だった。
※
鈴奈の提案により俺たちは猫カフェにいる。
美咲ちゃんとめぐりも付いてきた。
「にゃーん」
鈴奈が猫撫で声を出して、右手で猫を撫でていた。
一方で左手で優雅にコーヒーを飲んでいた。
猫耳をつけて。
しかも、どう言う仕組みか、猫耳がひょこひょこと動いている。
兄なのに、猫耳姿でコーヒーを飲む姿ですら官能的な我が妹は一体なんなんだろうと思ってしまう。
「にゃ〜ん、兄様、あれ見てください。あの猫、めぐり姉様に似てません?」
「確かにな」
とても母性豊かな猫で、母猫が子猫をぺろぺろと舐めている。目がとろんとしていて、その目元がなんだかめぐりに似ていた
「うふふ、じゃあ私はあっちの猫ですわ。自由奔放で、甘えたいときだけ膝に乗りますの」
「お前とそっくりだなぁ」
とにかくにゃあにゃあ泣く。
私だけを見てぇーと言わんばかりに俺の足に頬をすりすりとしてくる。
美咲ちゃんもいるのだが。
姿は見えなかった。
「助けテェー」
今まさに、美咲ちゃんはたくさんに猫に戯れられていたからだ。
たくさんの猫が美咲ちゃんを覆っているので、俺たちは助けることもできない。
「猫に愛されてるねぇ、美咲ちゃん」
めぐりはほんわかと笑う。
「動物に愛される、つまり、美咲さんはすごくいい子ってことですわ、なんだか微笑ましい光景ですわ」
鈴奈も穏やかな笑顔を見せる。
「そんなこといいから、助けてください」
鈴奈ちゃんだけ怒っていた。
俺は美咲ちゃんにくっついた猫を一匹一匹引き剥がしていく。
その際、猫たちがとても悲しそうに泣くので大変罪悪感に苛まされた。
美咲ちゃんが猫にすらモテすぎて、改めて美咲ちゃんはモテる子と思い知らされたのだった。
※
家に帰った。
「兄様、こちらに来てくださいな」
鈴奈に呼ばれたので、鈴奈の部屋を開くと驚くべきものを見た。
猫と犬とウサギがいたのだ。
それはどういうことか?
鈴奈と美咲ちゃんとめぐりがコスプレをしていたのだ。
鈴奈がエロいパジャマを着て、猫耳かぶってた。
「にゃーん」
朝見た格好と同じ格好をしている。
それでもやばい。
エロすぎて、直視できん。
美咲ちゃんがそろそろっと現れる。
「ご主人様、ご奉仕いたします、わん」
恥ずかしそうにメイド姿で。もじもじとスカートの端を掴んでいる。
この犬可愛すぎないか。
いや、美咲ちゃんが犬のコスプレをしているだけだが。
一方のめぐりはのいうと………。
「めぐりだぴょん」
エプロン姿にうさ耳をつけていた。
どれも破壊力が高い。
「私はバニースーツを渡したんですけどね」
「歩夢くんの健康に良くありません!」
めぐりは目をつむって、わりと大きな声を出した。
鈴奈の要求はどうやら拒否ったようである。
「さぁ、兄様、誰が1番お癒しになってますか?」
「めぐり」
答えは俺にとっては簡単だった。
「兄様がまさかの即答ですわ」
「歩夢先輩、私、すっごい恥ずかったんですよ、理由を聞かせてください」
美咲ちゃんが不満げに頬を膨らませた。
「健全だからだ」
他の2人はなんか教育によくない。
鈴奈はもちろんアウト。
美咲ちゃんは可愛いんだが、作り物感が強すぎて俺の好みにはジャストフィットしなかった。
「鈴奈ちゃん、だから言ったのに!」
「兄様の本能を考えただけですよ、私は間違ってませんよ」
俺が勝者はめぐりと言ったにも関わらず、鈴奈はドヤ顔だった。
美咲ちゃんは不満げに頬を膨らませる。
「美咲ちゃん、鈴奈ちゃんのおかげで楽しい思い出増えたから今回は良しとしましょうよ」
「めぐり先輩がそういうならいいですけど、まぁ可愛いメイド服着れて嬉しいですし」
めぐりが美咲ちゃんにほんわか微笑むと、美咲ちゃんはもじもじしながらそう言った。
※
そして、静かな夜が訪れる。
みんながそれぞれの部屋に戻ったあと、俺はふと自分の胸に手を当てた。
なんだこれ、癒された気がする。
猫カフェ、コスプレ、甘やかしの応酬。
騒がしくて、頭を抱えたくなる場面ばかりだったけど――。
それでも、俺の心には確かに“やわらかくて、あたたかい何か”が残っていた。
「バブみ、ねぇ……」
ぼそっと呟いて、ベッドに潜り込もうとした、その時だった。
「兄様、今夜もバブみが足りないのでは? 私とえっちなことをしましょう」
鈴奈がいつの間にかドアを開けて立っていた。
にこにこと笑いながら、両手には新たな猫耳セットと…今度はボディローションを持っていた。
「何する気だ、うわあああああ! 誰か止めてくれええええ!」
俺の悲鳴に反応し、めぐりと美咲ちゃんが鈴奈を連れて行ってくれた。
おそらく、バブみの過剰摂取は俺の精神的な健康を害してくると本能的に察知できたのだった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
というわけで、鈴奈ちゃんもやっぱり可愛いでしょう(どやぁ、またしても作者渾身のどや顔)、この子描いてて死ぬほど楽しいです
もし、
鈴奈ちゃん、すっごくエロいです、結婚したいです
美咲ちゃん、すっごく萌えます、結婚したいです
めぐりちゃん、すっごくかわいいです、結婚したいです
三人とも可愛い、ハーレムしたいです
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回からは鈴奈ちゃん視点です。母の日に彼女が何を考えているが明らかになります。
公開日は5月14日6時頃です。次はめぐりちゃんの意外な面が明らかになります。
イラストも公開します。
ぜひぜひお楽しみに!
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