第9話 めぐりと美咲、それぞれの将来の夢
「俺夢なんてないんだよなぁ、金がたくさんほしいって思ってるだけで」
俺はテレビで子供達がニコニコと将来の夢を述べる番組を見て、そう呟いた。
「入りたい大学にはいれるように今から頑張ってきているだけ」
だからやる気もない。
無難でせいぜい平均点70点ぐらい。
模試も良くてC判定、基本D判定。
大学に入りたいと言っても最難関大学に入れる学力があるわけでもない。
なんか努力してる割には結果が出ないダサい自分が嫌になってくる。
「夢なんてあってもなくてもいいと思うよ」
めぐりは微笑みながらそう言った。
横にいる美咲ちゃんも「そうそう」と言ってくる。
「そうですよ、歩夢先輩は生まれただけで大成功ですよ、私におぎゃっていいですよ」
めぐりが美咲ちゃんにむっとした表情をする。
「赤ちゃん扱いするのはよくないんじゃないの?」
「めぐり先輩、誤解しないでほしいのですが、私もそこまではしませんよ、弱さをさらけ出し本当の自分を見つけるのための手段として、バブみは有効だと思いますけど」
急に美咲ちゃんは真顔でそう告げた。
この子はころころと多彩な表情を見せてくる。
めぐりは瞬きを何回かした。
ずいぶん驚いたようだ。
「えっ、美咲ちゃん、そんなこと考えていたの?」
「当たり前のことじゃないんですか?」
美咲ちゃんは本当に不思議そうに首を傾げる。
「もし、歩夢先輩が赤ちゃん扱いされたいならば別です、私はおしめも全部変えるつもりです」
美咲ちゃんは顔色一つ変えず、そう言った。
「私のお母さんは看護師ですから、皆得れば子供からご老人、病気で自力で活動できない方まで面倒見ます、看護師にはあこがれてますけどお母さんは看護師は大変だからいろいろ考えなさいと言われてます」
そう言われてみると、美咲ちゃんの俺に対する甘やかし方がなんだか積極的に世話をしてくれる看護師さんのイメージに近いものに思えた。
「そういや、めぐり先輩は保育士さんでしたっけ?」
「お母さんからすごぬ大変だって聞くから、おすすめはされないんだけどねぇ」
めぐりはうーんと悩んでる。
一方、めぐりは危ないところからは守ってくれるけど自立するまでずっと見守ってくれる保育士のイメージに近いものに思えた。
俺への甘やかし方が看護師風なのか、保育士風なのか、違うアプローチなんだなぁとなんとなく思った。
「俺が夢がないってこと2人はどう思うの?」
美咲ちゃんは俺の目を見つつ、ごほんと咳払いをした。
「夢が生まれた時頑張る必要があります。夢を持ちながら頑張れない人もいるのに、夢のためでもなく頑張れちゃう歩夢先輩は凄すぎますよ歩夢先輩の頑張りって、夢を見つけた時、とんでもなく報われちゃうと思います」
めぐりは美咲ちゃんの言ってることにうんうん頷きながら、口を開く。
「夢が見つかるより、健康であることが大事だよ。夢を叶える秘訣はずばり健康。夢が見つかった時も健康でいなくちゃ!」
夢を見つけなくちゃいけない、そう思っていた俺にとって美咲ちゃんとめぐりの言葉はあまりに温かかった。
今を時間を大切にして、俺は将来の夢を考えることにしよう。
将来の夢が見つかるとそのためだけに頑張ればいいから、今より頑張り方が省エネかつスマートになるかもしれない。
2人と過ごすことで色々考えることができるようになり、甘やかされる日々はやはり素敵だなぁと思う俺だった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
二人の将来の夢、および歩夢君の将来について考えてみるお話でした
もし、
めぐりちゃん保育士っぽくて可愛い
美咲ちゃん看護師っぽくて可愛い
二人とも可愛い
と思ってくださいましたら、
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レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回は二人のお料理対決です。
公開日は5月7日6時頃です。
お楽しみに!
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