第4話 嵐

運命の鐘が鳴り響き

恐慌の嵐吹き荒れる

富はどこへ行ったのだ

あんなもの所詮ビールの泡に過ぎなかった


苦かろう甘かろう

石畳の街にはコートを着た人々が残された

ちょっとコインを差し出すと

怯えた目をしてじっと見つめる


天使の光と思ったものは

悪魔の微笑みだったのだ

砂の匂いがする


価値を失くした紙切れが

かつて享楽に耽った我々を模倣して

摩天楼の底で踊り狂う

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