ようこそ。物語の館へ

@yayoi0308

されど願えば

僕の夏が終わった。今目の前で。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


僕の名前は有明茜 15歳。受験生の中学3年生。

受験生になると三連休でもゴールデンウィークでも表面上は休みでも全然中身は休みじゃない。


あっついな…


最近は地球温暖化の影響でずっと暑い日が続いていた。はぁもう少し涼しくならないかな。そんな考えをしながら1学期の終業式を迎えた。

これから地獄の夏休みが始まる。毎日のように

勉強、勉強、勉強の3本立ての予定だ。


しばらく学校には行かなくていいのがいいのか、それとも毎日塾で勉強してればいいのか分からないくらいだ。



今日も朝から夜までずっと塾にいた。

少し寄り道して帰ろうと思った。


この判断があとから苦しむ選択になることが今の僕には判断できなかった。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「は…?」

家に帰ってきたら目の前で家が燃えていた。

家の中から聞こえる叫び声と炎の燃える音で阿鼻地獄と化していた。

助けないとと思ったが僕なんかが家の中に飛び込んでも何もできないからおとなしく助けを待つことにした。


「■■■くんよね?この家に住んでる」

「はいそうですけど?」

「あと5分くらいで消防が来るから待っててね。勝手に家の中に入っちゃだめよ?いい?」

「はい。わかりました」


喋ったことのない近所の人から声をかけられてびっくりしたが、もう消防に通報したあとだったらしい。

でも僕は思った。もう助からないって。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



次の日、こんなニュースが流れた。

■■県■■市の一軒家が全焼し、家の中にいた三人が死体となって発見されたという。


その日は塾を休んだ。警察の取り調べや祖父母のところに引っ越さなければ行けなかったため色々準備をしていたからだ。

幸い、引っ越しても学校が変わらないことが唯一の救いだ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


地獄のような夏休みが終わった。

クラスに出向くとすごく視線を感じた。

朝のホームルームを終えると先生に呼び出された。


「今の気持ちはどうだ?」

…僕の気持ち?

そんなのあったっけ?


「答えないならそれでいい。いつかは笑える日が来るから今は目標に向かって頑張れよ。」


僕は今笑っていけないんだ。

苦しんでなきゃいけないんだ。

すでに目標なんてないのに。

受験成功することだって僕の目標じゃないのに。


あーあなんか考えることが疲れちゃったな。

はぁしんどいな。

しばらく学校行きたくないや。


これからどうしよっかな。



何もしたくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない、したくない。



世界がモノクロになった僕はこれからどうすればいいのだろう。


あぁまた考えてしまう。


死にたいと願ったけど、僕はまだ生きたいみたい


あと少しだけ生きてみるのもいいのかもしれない






僕の心の穴が塞がるまで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ようこそ。物語の館へ @yayoi0308

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る