閑話2

「マホガニー、君って、その、眼帯をしてるけどさ。まるで見えてるみたいに動くよね?」

「マホでいいよ~。そうだね、私、目は見えてないけどさ、冷気魔法が得意なんだよね~。それを応用して周りをなんとなく感じ取ってるんだよ。すごいでしょ!?」

彼女の自信に満ち溢れた声が揺れる車の中で少しだけ響く。魔法、資料に書いてあったから何となくはわかるけれど、創作でよくあるような、それこそ指輪物語やハリーポッターで体系化されたようなそれと同じなのだろうか。

「うん、すごいね。その冷気魔法って、何ができるの?」

「そうだな~、まあ冷やしたり、凍らせたり?いきなり聞かれると思い浮かばないものだね~、えへへ。」

今のところ冷蔵庫と同じだな。でもそう言ったら怒らせてしまうのは目に見えているから言わないでおこう。

「あなたそれじゃ冷蔵庫と同じじゃない。」

隣にいるカミュを小突いて、不満そうな顔をしているマホを落ち着かせた。

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