ウェブマーケティング

小狸・飯島西諺

短編

 これは、いち面倒なファンの、気ままな呟きである。


 私はある作家先生の作品が大好きだが、気に食わないことが一つある。


 気に食わない、というとやや語弊がある。語弊というか恐縮がある。


 遺憾の意を表明したい、と言うべきだろうか。


 その作家先生のエックスの公式アカウントの投稿頻度、更新頻度がかなり少ないのである。


 プロフィール画面の(著者近著)の部分はいまだ数年前のまま更新されていない。


 元々どちらかというと多作な方な先生だったからだろうか、公式アカウントができた時には、一ファンとして心躍ったものだった。


 そのアカウントの運営、ポストには作家先生自身は関与していないらしい。


 まあ、それは良い。先生が書く文字は全て小説にしてほしい、と思う厄介なオタクなのである。


 しかし最近はめっきり更新もなくなってしまい、先生原作のアニメ作品のBlu-ray情報のリポストに留まるようになってしまった。


 久々に更新があったと思えば、発売当日に書影の写真が載せられる程度である。


 それでも小説自体は出版されていて、最新刊はAmazonで初めて確認できる、という具合である。


 どうにかならないのだろうか、と思っている。


 せっかく小説家の公式アカウントなのだから、小説についてのポストもしてほしい――のである。


 まず、アカウントがある、ということは、それを管理するどなたかがいらっしゃる、ということなのだろう。


 前述の通り、先生自身はアカウントの投稿や更新には関与していない、という表記があった。


 編集部の方が管理しているのだろうか。


 それにしては、作家先生によってあまりにも扱いが違い過ぎるのではないか――と、思ってしまうのである。


 それも、ひょっとすると売れる売れない、の世界なのか。


 そうだとすれば、厳しい世界である。


 例えば、作家先生自身がアカウントを管理し、頻繁に投稿している方というのも見受けられる。


 そういう、今まで見えていなかった「作家先生の人間らしさ」というのを垣間見ることができるのも、また楽しみでもあるのも事実だ。


 今や、ウェブマーケティングに力を入れていかねばならない時代――創作者は日陰者でなければならない、分からないものは分からないままで、という時世ではなくなってきているのかもしれない。


 時代の変化。


 まあ、私が心配するほどのことでもないだろうと思っている。実際、ファンは多いし、発売される作品のレビューは悪くはない。


 それでも、変わらなければならない時代に入っているのかもしれないのかな、と。


 いち面倒なファンとしては、思うのだった。




《Web marketing》 is the END.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ウェブマーケティング 小狸・飯島西諺 @segen_gen

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ