二度目の呼び出し
stdn0316
第1話
ある市立病院の看護師から聞いた話。
やはり病院という場所もあってか、不可解な現象はそれなりに多いのだという。
深夜誰もいないはずの病室の電気がいつの間にかついている。
霊安室の近くを通ると「おーい」と呼ぶ声がする。
もう亡くなったはずの患者が院内をうろつき、トイレはどこか、などと聞いてくる。
看護師たちも赴任当初は怖がるものの、怖がっていては仕事にならないため徐々に気にしなくなるのだという。
あしらい方が上手くなるのだと言っていた。
その看護師も同様に怪奇現象には慣れていったが、ある日の夜勤、ナースコールが鳴った。
部屋を確認すると、先日、患者が亡くなり無人になったはずの部屋からであった。
ナースコールが鳴ると、部屋まで止めに行かなければならない。後輩が
「わたし止めに行きますねー」と慣れた様子で止めにいった。
しばらくして音は鳴り止んだが、後輩が戻って来ない。それどころかナースコールがまた鳴り始めてしまった。
機械トラブルかと思い、自分も見に行くことにした。
部屋に入ると、後輩がナースコールを押し続けていた。
その後輩はしばらくそこで働いたが、「音がまだ聞こえる」と言い残し退職してしまった。
それ以来、その病院ではナースコールは必ず2人で止めに行く運用になった。
怪奇現象のほとんどは取るに足らないものだが、中にはこちらに干渉してくる怪異が存在する。
大したことのない現象の顔をして近づいてくるそれには気をつけなければいけないと言っていたのが印象的であった。
二度目の呼び出し stdn0316 @stdn
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