第5話 新章開幕
無限大な夢のあとの、何もない世の中じゃよ。
ジジイは言う。それを不快に思った俺は紫を見て扉をぶち破った。
➿️
この国では毎日3色を目にすることが義務付けられている。だから神様の色は4色だ。指毛を櫛で梳きながら彼女は泣いていた。彼女は俺の幼馴染で、明日5色になる。もうどうすればいいのか俺には分からなかった。AIみたいな慰めのことばを絞り出す。
「生きてさえいればどうにかなります。」
言いながら後悔した。しかし意外にも彼女はそのことばを必要としていたらしい。目に涙をためてこう言った。
「もしお前のあごひげを剃ることができたら、、、」
言葉に詰まったあと、
、、、よかったのに。と小さくつぶやいた。
真意は分からないが、やはり相当に思い詰めているらしかった。この重苦しい空気を変えるためには、アレをやるしかない。
無限大な夢のあとの〜♪
何もない世の中じゃ そうさ常識外れも悪くはないよな♪
(やす子、、、どこだ、、、?)
頭の中で声がこだまする。
(、、、こんなとこに隠れてたのか、やす子。ふふ、、、)
ちがう、そいつはやす子じゃない!
(やす子、、、今日は元気ない?、、、やす子?)
➿️
「はい〜」
すこしだけ、2012年の冬の日の話をする。当時やす子は中学3年生で、その日は塾で高校受験の勉強をしていた。
「やす子、ここまで大丈夫?」
「はい〜」
「、、、たぶん、大丈夫です〜。」
少しうつむきながら返事をしたやす子を見て俺は、大丈夫じゃなさそう、と思った。とりあえず広田先生はやす子の(本当は大丈夫じゃないです〜)のサインを無視して授業を進めていく。それから似たような問答が2,3回あったあと、広田先生はキレた。
「おい、やす子。お前さァ、、、」
「は、はい〜。」
「ねえだろ。分かって。」
「はい〜、、、ぃ。」
【予告】 次回、伏線回収開始!
過酷な火山で育った俺が街に降りたらマナが濃すぎてびっくり。煙草に火をつけるために魔法を使ったら街を燃やしてしまった。 @kakakutaro
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