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「もしもし、どちら様ですか?」
「こちら救急隊員の〇〇と申します。スマホの持ち主と見られる兎夢さんが事故にあってしまい現在搬送中です。」
は…?嘘だろ?
「聞こえますか?〜病院に来てください」
信じたくなかった。いや信じれなかった。冷静に取り繕うと頑張り、俺は上司に事情を話し早退させてもらうとすぐさま病院へむかった。
病院へ着くと彼女は手術中だった。俺はただただ無事であることを願い待つしかなかった。7時間に及ぶ手術が終わり、医者が出てきた。
「一命はなんとか取り留めましたが、回復の見込みは・・・」
その日は帰るように言われ、帰路についたが一睡もできぬまま朝を迎えた。そのまま俺は病院へむかった。病室へ着き彼女の方へ目をやると、多くの管に繋がれた姿がそこにはあった。痛々しかった。何もできない無念さに駆られた。その日彼女は目を覚ますことなく俺は主治医から話を聞き家へ帰った。
「なにも手に付かない。少しの間休ませてもらおう」
そう思い上司へ電話し休ませてもらうことにした。その間も毎日病院へ足を運び彼女が目覚めるのを待った。事故にあってから二週間経った日、彼女が目を覚ました。俺はすごく嬉しかった。だが、そんな喜びも束の間目覚めた彼女が放った言葉によってかき消された。
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