夢
シブサワ
夢
件名:佐野です。お久しぶりです。
from:sano-0110mail@gogmail.com
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拝啓、木戸様
お久しぶりです。お元気ですか。
おかげさまで、あの日以降、私といえば小さな幸せに恵まれた日々を送っております。
といいますのも、あれ以来私の夢には毎夜毎夜、亡くなった祖父や母が出てくるのです。
祖父とは生前、あちこちによくドライブへ連れて行ってもらったものですが、その頃のことを思い出すような夢をよく見ます。
助手席から見る、ハンドルを握る逞しい腕をまっすぐな横顔は、まるで当時に戻ったかのようでした。
長距離のドライブに出かける時は、まだ日が昇る前に家を出て、祖母が作ったおにぎりと唐揚げと漬物を朝食代わりにつまむのが定番でしたが、その味は格別で、どんなに美味しいものよりも美味しい朝食でした。
夢の中ではありましたが、それをまた味わうことができて、何とも幸せな気分になりました。
母は、最近ガンで亡くしたばかりですが、その寂しさを埋めてくれるような夢でした。
母が家にいて、食事を共にしたり、映画を一緒に見たり、飼い猫を共に愛でたり。
当たり前に流れていた日常に戻ることができたようで、得も言えぬ多幸感に包まれたものです。
しかし、やはり目が覚めて、それが夢であると思い知らされると、寂しさに打ちのめされてしまいます。
遺影があるばかりの居間に戻り、飼い猫が母がいつも寝ていた場所で丸くなっているのを見ると、やはり寂しいです。
それもこれも、あの日木戸さんに夢の話をしてもらった日から始まりました。
あの話はとても不思議で、木戸さんの話で出てくる■■■はやはり有害なものではないように思えたのです。
茶化しているわけではなく、本心でそう思うのです。
そういえば、あの日以降私の部屋でも■■■■■■するようになりました。
■■■■がどうやら私のもとを訪れているようで、時折■■■■■■■も聞こえます。
私にも■■■の加護が■■■■してくれたのでしょうか。
そうであるならば、それもこれも木戸さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
また見せてください。
私にあの夢を。
ええ、夢を。
夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢を夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめゆめ蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺蜻ェ縺?ョコ縺呎ュサ縺ュ險ア縺輔↑縺……
いまいきます
――――――
――――
――
変死した男のパソコンに残されていた未送信のメール。
何らかの要因でデータが破損したのか、一部は文字化けなどで判読できない。
刑事一課のオフィスでそれを読み終えた刑事の岩下は、同じく刑事で後輩の岡田の方を見た。
岡田は顔面蒼白で目を見開いている。
「せ、先輩。なんなんすかね、これ。気味が悪い……」
「さあな。頭がイカれた人間によくあるやつなんじゃあねえのか? なんだっけな、妄想癖か?」
「確かに、男の交友関係や郵便物、スマホとパソコンまでくまなく調べましたけど、木戸って人物につながるものはありませんでしたね。送信先のメールアドレスも文字化けしていますし……」
「アルファベットの文字列なら文字化けはしない。はじめから正しく送信できる相手に送ろうとしていたわけじゃなかったのさ。錯乱していたんだろう」
岩下は素っ気なく返して立ち上がると、椅子の背もたれに被せていた背広を拾い上げた。
「先輩? 帰るんですか?」
「ああ。こんなもん見てたって仕方ないだろ。何の証拠にもなりゃあしねえよ」
それに、今日は見なきゃいけないものがあるんでね、と岩下は付け加えた。
「じゃあ、現場は明日見に行きましょうかね」
「ん? ああ、そうするか。じゃ、きぃつけて帰れよ」
岡田の返事を聞くよりも先に岩下はオフィスを出た。
日付こそ変わっていないが、外はすっかり日が落ちて久しい。
「おふくろ、か」
駐車場の車へ向かう中、通路で岩下はそう呟いた。
疲れからか少しぼんやりしながら車にたどり着いた。
エンジンをかける。
「ゆめ」
エアコンはつけていない。
窓も開けてはいない。
その車内に、冷たい風が吹いた。
どこからか声も聞こえる。
その声に呼応するように、岩下は呟く。
「ゆめ、ゆめ……」
ハンドルを握るその目は虚ろで、過ぎゆく町の光をただ反射しているだけだ。
アクセルを踏む。
彼の乗る車は、そのまま闇の中へと消えていった。
夢 シブサワ @ShivSour
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