オブジェクト日本一決定戦

「さあ今年もやってきました、参考書日本一決定戦（スタディブックバトル）！」

そう言うのは、司会の四十物莉佳（あいものりか）だ。

もちろん、人間ではない。理科・物理の参考書で、去年のナンバー10入りの逸材。

「そうですね莉佳さん。今回は去年よりもたくさんの人が集まっていますよ」

そう返すのは、解説の西野陸玖（にしのりく）だ。

そう。人間ではなく、社会・地理の参考書で、初代優勝（もくてきのひとにかわれた）を果たしたという猛者。

「まずは国語ブロックから来ました、漢野優成（かんのゆうせい）VS読売一颯（よみうりいぶき）のバトルです！それぞれ話（ディベート）をしましょう！」

優成は次々と話していく。一颯は初登場で、まだこの場に慣れていないようだ。

「漢字ドリルです。ただのドリルではなく、イラストで覚えやすいんです」

一颯も思いの外すぐ慣れて、まるで裁判のようにすらすらと話していた。

「入試で出る問題のほとんどは、読解です。しかも格安！」