元最強魔王の転生道

レア・ヨメ

第1章 転生編

第1話 魔王と勇者の一生続く約束

「これで終わりだ、魔王」

「くそ、、、ここで終わり、、、か、、、」


我の前には、腕を片方失って、震えながらも立って、我を見下ろしている1人の男がいる。

3日3晩戦ったが、こいつに、とうとう負けてしまった。


「これで、終わりか、、、もう、終わってしまったのか、、、」


目の前の男が残念そうに言う。


「ああ、、、まだ、戦っていたかった、、、のじゃ、、、」

「来世、というものがあれば、、、また、戦えるかもな、、、」

「来世、、、来世か、、、」


来世、、、我の記憶が残るのならば来世でも、こいつを探し出して戦うのも悪くはない、かもな。

だが、そんな空想上の事を考える間に、きっと我の命は尽きるだろうな。


「勇者、、、来世では、、、絶対貴様を殺して、、、やる、、、の、、、じゃ、、、」


その時、我の命は尽きた。


「・・・ありがとう、、、魔王、、、俺の、、、ライバルになってくれて、、、」

「君との戦い、、、楽しかったよ、、、」


◆◇◆


はあ、負けたのじゃ。

けど、やっぱり、あいつとの戦いは楽しかったのじゃ。

だけど、、、なんなのじゃ魔王って!

我ただの一般魔族だったのじゃぞ!

急に魔王なのじゃって言われても!

まあでも、魔王になった私と対等に戦える存在に会えたのじゃし、この魔族生は楽しかったのじゃ。

ところで、なんじゃろか、ここ。


【ハロハロー、魔王さん】


っ!?誰なのじゃ!?


【僕はねぇ、そっちの世界で言う“神”かな】


神、、、神か。

その神様が、何の用じゃ?


【つれないなぁ、もっと驚いてくれてもいいじゃんねぇ】

【えっ!?神様なの!?すごーい、、、みたいな感じでさぁ】


急に神とか言われてもじゃな、驚き過ぎて逆に驚けないんじゃが。


【なるほど、もう少し登場の仕方に改善あり、か】

【まあ、そんな事はどうでもいいんだ】

【君に聞いておきたい事があるんだよ】


聞いておきたい事、じゃと?


【君、もう一回、勇者と戦いたいかい?】

【正確に言えば来世で、だけど】


戦えるのか!?


【まあ条件付きだけどね】


どんな条件じゃ?


【僕にお使いを頼まれて欲しいんだ】


お使い、じゃと?

何じゃ、八百屋で野菜でも買って来い、とかか?


【うーん、、、ダンジョンで神話級の生物でも狩って来い、とかかな】


なんじゃそれ。

我だからよいのじゃが、他の一般人じゃ、絶対達成出来ないお使いじゃろ。


【君、だからこそ、このお使いを頼んでるんだよ】


ちっ、都合の良いやつじゃ。

これで我が一般魔族だったら、そのまま成仏させるつもりだったのじゃろ?


【せいか〜い】

【一般魔族なら適当に成仏させてたけど】

【魔王なんてそうそうこの世界に居るもんじゃ無いからね】


まあそうじゃな。

逆に沢山居たら困るのじゃが。


【じゃあ、僕のお使い、受けてくれるかい?】


当たり前じゃ!

あいつとまた戦えるんじゃ!

それは我が死ぬ間際に望んだものじゃ!

次は、、、次こそはあいつに勝ってみせるのじゃ!


【そうだよね!なら契約成立だ!】

【よき人生2回目を!】


え!?は!?

ちょっ!?

説明をするのじゃ〜!?


【説明はね、、、めんどかった】

【・・・って聞こえてないか】

【まっ、勇者には会えるようにしてあげるよ】

【次は勇者と交渉だから、上手く言いくるめるか】


◆◇◆


あの適当神め〜。

次会ったら全力で殴ってやるのじゃ。

それは置いといて、ここは、、、新しい世界か。

さて、当然赤子だが、どうにか動けないものか。

言葉も喋れないし、めちゃくちゃ不便なのじゃ。

うん?というか、、、まさか!?

この体、人間のか!?

な、、、なんじゃと〜!?そ、、、そんなことが、、、あっていいのか!?

こんなの、、、こんなの、、、デバフが過ぎるじゃろが〜!

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