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第1話

「はーる!起きて!朝だよ!春!」





カーテンを開けて、黒色のシーツのベッドの上でスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている春の身体を揺らすと、春は「んー」と眉間に皺を寄せて唸りながら、目を薄っすらと開けた




切れ長の猫のような目と、視線が混じ合ってニコッと微笑む





「れい、あと5分…」




掠れた声でそう言ってまた目を閉じようとするから、もう一回、今度はさっきより強く身体を揺らした





「それ3回目!もうだめだよ、ほら!早く起きて」



半ば強引に春の腕を引っ張って上体を起こさせる


春は欠伸をしながら両腕を上にあげ伸びた後、髪をポリポリと掻いた

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