君の名は
ああ
黄昏時
沈みゆく太陽は
かの若々しい桜の木を
暗い翳に
覆い隠してしまうのだろうか
あの桜の下で
あの夕日の下で
私が放った言葉は
空に
空に
虚空に
飲み込まれてしまいそうで
それでも
世界は廻り
廻り
巡って
あなたに
届いてほしい
私は
出来損ないだ
私は
ただの凡夫だ
あの空は
なんとも透き通っている
なんとも
なんとも
なんとも
美しい
今はただ
あなたに問いたい
あなたは誰か
私は誰か
目的は
ない
記憶は
ない
私の名も
ない
今一度
貴方に会いたい
そして
教えてくれ
そばで
教えてくれ
私の
「君の、名前は」
短編小説集 シュブ=ニグラス @SHUBU_NIGRAS
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