心を本の栞にして

ミコト楚良

心を本の栞にして

きみと会えるのは夕暮れの市立図書館。

制服だから通っている高校もわかった。

雑誌コーナーで、おじさん向けの月刊誌を読んでいた。渋過ぎ。


去年は見かけなかったな。

新入生なのかな。

近づければ学年章とか見えるかもしれない。

そこまで、わざとらしいことはできない。

ああ、受付の司書さんがうらやましい。

わたしもそっち側で、あなたに向かい合えれば。


せめて、うしろに並ぼうか。

背が高いな。

あ、そっちの司書さん、空いてますか。

ちぇ。もうちょっと、きみの背中を見ていたかった。


またね。

また、会えたらいいな。


もし、話せたら。

そのとき大好きになる予感がする。

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心を本の栞にして ミコト楚良 @mm_sora_mm

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