第2話 ガラスの君とお喋り
僕が菅さんと一緒に下校した翌日。車の中で菅さんと連絡先を交換したが、菅さんからメッセージが来ていて、何事かと思い、スマホを開いた。
(Rana)『古矢くん、おはよう』
(Rana)『今日、お母さんが昨日送ってもらったお礼が言いたいって言っているから、今日お礼に伺ってもいいかな?』
(豆腐の末裔)『菅さん、おはよう』
(豆腐の末裔)『今日だったら、母さん家にいるから、大丈夫だと思う』
(豆腐の末裔)『でも、お礼目当てで送った訳じゃないから、そこまではいいよ』
(Rana)『でも、今後もお世話になる可能性があるかもしれなくて、その都度お礼に行くと疲弊しちゃうかなって思って』
(Rana)『それに、私も古矢くんにお礼言いたいし……、ダメかな?』
(豆腐の末裔)『分かった』
(豆腐の末裔)『じゃあ、母さんに菅さん達の所に行く事伝えておくよ』
(Rana)『えっ?』
(豆腐の末裔)『どうせ、菅さんのお母さんもガラスでできてそうだから』
(豆腐の末裔)『本来なら、お礼する側が来るはずだけど、心配だし』
(豆腐の末裔)『お礼をしたいなら、これを条件にしてほしい』
(Rana)『分かった』
(Rana)『色々ありがとう』
(豆腐の末裔)『(キリンが頭を下げるスタンプ)』
「母さん、菅さんがお礼をしたいって言ってて、僕たちがお礼の家に行くけど、車出せる?」
「いいわよ。お礼をするために連絡取るのは、今どきの子にしては珍しいからね。それにあの子が割れたら悲しいわ」
「そうだね」
そして、僕たちは菅さんの家に向かった。菅さんの家に着いたら、菅さんと菅さんのお母さんが玄関前で待っていた。
「古矢さん、昨日は娘を送っていただきありがとうございました。お口に合えば良いのですが……」
「わあ、美味しそうなプリンですね!ありがたくもらいます」
「古矢くん、来てくれてありがとう。本当はこっちが行かなきゃいけないのに……」
「ううん、菅さんが割れたら、みんな悲しむから……」
「あんた、もっと素直になってもいいんじゃない?」
「なっ、母さんには関係ないだろ!」
「あらあら、まあまあ」
「?」
「古谷さんのお母さん、もしよろしければ、今後も娘の事送ってもらえないでしょうか?」
「いいですよ」
「ありがとうございます。では、念の為に、連絡先を教えますね」
「あら、じゃあもらっちゃおうかしら!娘さんの様子がおかしかったら連絡しますね」
「ありがとうございます。助かります」
そして、菅さん達と別れて帰路に着いた。その道中、母さんは菅さんの事を「よく出来た娘さん」と褒めていた。
だから、僕に、「アンタ、あの子が好きならちゃんと守りなさいよ」と言ってきた。僕は、「わかってるよ」と素っ気なく返してしまった。しかし、母さんは特に気にしていないようだ。
今日は幸せな休日だと思いながら、1日を終えた。父さんが上機嫌な僕と母さんを見て、「どうしたんだ?」と聞いたから、母さんが理由を説明したら、父さんもつられて嬉しくなっていた。それが、今日のハイライトだ。
ガラスな君と豆腐な僕 月桜 兎 @784136
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