第2話 ユウジ、ウルフと話す
声のした方向を見ると、今度は手首に大きな腕輪のようなものをつけた、
少女...というよりは幼女のような風体の人物がいた。
「まったくお前ら、人の話を聞かずに急に攻撃するのはやめろって言ってるだろ!」
(いままでもしてたのか...)
そう思うと同時に、今自分が置かれている状況のマズさを思い出す。
(はやくどうにかしないと...)
だが、思うように体が動かない。すると、腕輪の幼女が手を差し伸べる。
「すまなかったな、私の仲間が──」
手を借りてなんとか起き上がると、
「いやぁ~ごめんねぇ?みんなちょっとピリピリしててさあ」
「急に切りかかったりして、その…スイマセンデシタ。」
急な切り替えに少し驚きながらも、俺からも誠意を伝える。
「こっちも勝手に入ったりして、すまなかったな。
でも今の戦いで少し疑問が沸いたんだ。いくつか質問しても構わないか?」
──────
腕輪の幼女は少し考えてから、頷いた。
「ああ、私からも少し聞きたいことができた。奥に入れ。」
言われるままに奥へと進んでいくと、そこにあったのは
小綺麗なアジトのような場所だった。
「紹介する、ここが私たち【ウルフ】の本拠地だ。」
話を聞くと、刀の少女の名前は【レイサ】、
二人目の抜けたようなしゃべり方の少女は【ユキ】、
腕輪の幼女は【ルーナ】というそうだ。
どうやら彼女らは【ウルフ】というチームに属しており、
ルーナは実はこの見た目で
100年以上生きているらしい。いわゆる、ロリババアである。
その中で最初に襲ってきた二人は主に戦闘の担当で、
ルーナはリーダーのような役割らしい。
ウルフにはまだあと二人のメンバーがいるらしいのだが今は留守にしているそうだ。
まだいろいろと聞きたいことはあるのだが、また今度聞くことにして、本題に入る。
「じゃあまずはこっちからだ。お前たちのその強さは何なんだ?どう考えても
努力や才能で片づけられるようなレベルじゃなかったと思うんだが。」
「そんなに私たちって強い?みんな同じくらいだから分かんないや。
でも確かにあんなに私たちと張り合えたのは君がはじめてだよぉ一人だけだったら
負けてたかもね。」
「五人ともあんな強さなのか、驚いたな。それじゃあ二つ目だ。
俺が入ってきたとき、なんであんたらあんなにピリピリしてたんだ?
そんなに強いんならいちいち警戒なんてしなくてもいいと思うんだが。」
「そこについては、私から説明させてもらうよ。」
知らない声が上のほうから聞えてきた。
「誰だ?って顔をしてるね。私はウルフの四人目、主に経済面やルーナの
補助とかを担当してる【ファウナ】って言うの。よろしくね。」
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