第2話:ヤンデル星から来た大騒木 乱。

俺は名前を名乗ると、さっそく一人のおっさんが対応してくれた。


「奥野様、このたびは、ご当選おめでとうございます」

「私は雑誌社の谷川と申します」


「はあ、どうも・・・谷川さん」


俺はこの部屋で異星人さんと写真なんか撮ってサインなんかもらって、適当な世間話なんかして、お開きになるもんだと簡単に考えていた。


「では早速ですが・・・」

「ご紹介しておきますと、私の右にいらっしゃる方が総理大臣の吉川様です」


(そ、総理大臣?)


「どうも、吉川です、よろしく」


「あ、よろしくお願いします、奥野です」


ははあ、それでホテルの警備が厳重だったんだ。


「え〜いちおう異星人さんは国賓でいらっしゃいますから国を挙げてのおもてなし

なんでございますからして総理大臣が来ておられます・・・」


「あとのおふたりはSPです」

「そして、こちら・・・今回、この企画に参加してくださった異星人さんです」


編集社の人はソファに座ってる、ブルーの髪の可愛い異星人を俺に紹介した。


「よろしく・・・私、「ヤンデル星から来た大騒木 乱おおさわぎ らん」」


その子は明るい表情でスマホらしきモノに自分の名前を表記して俺に見せた。


?)


「あの異星人って普通英語名とか横文字じゃないの?・・・なんで日本語名?」


「日本語名でなにか問題でも?」


「いあ〜そう言うわけじゃ・・・すごいフェイントかまされた気分」


「宇宙は広大だよ・・・いろんな名前あったって不思議じゃないの、読めるだけ

マシ・・・」


「あ〜なるほどね・・・そりゃそうだ」

「乱ちゃんね・・・俺は奥野 細道おくの ほそみちって言います、よろしく」


そう言って俺は彼女に名刺を渡した。


正直俺は彼女を見るまでは異星人ってグレー見たいなやつを想像してたんだけど、

相手が可愛い女の子だと知って、ちょっとテンションが上がった。


エイリアンみたいな異星人だったら体の中に卵産みつけられたり食われでもしたら

大変だからね。

そういう恐怖はなさそうだ。

それに乱ちゃんは可愛いし・・・。


「では、さっそくですが今回の企画では大騒木様は一ヶ月間、当選者、奥野様

の家で過ごすという企画ですの大騒木様は本日より奥野様の家で生活すること

になりますので・・・よろしくお願いします」


「え?は?・・・あの、そういう企画なんですか?」

「ここで親交深めて、おしゃべりして写真撮ってサインとかもらって終了・・・

とかじゃじゃないんですか?」


「いえいえ大騒木様のたってのご希望でして・・・当分、奥野様の家で

お世話になるとそうおっしゃっておられますが・・・これは星を代表しての

親交ですので奥野様には拒否権はございません・・・お分かりでしょうか?」


「お分かりって・・・断れないってことだよね・・・まあ、いいですけど」


俺一人しかいない家に異星人・・・しかも女の子だろ?・・・いいのか?


「私からもよろしく・・・なんせ国賓でいらっしゃいますから粗相のないよう

お願いしますね」


って総理大臣からもお願いされたて大臣はそれだけ言うとSPと一緒にそそくさ

と引き上げて行った。


小一時間くらいの交流だけだって思ってたのに俺の家に来るってか?

どうすんだよ・・企画が終了するまで俺が彼女の面倒見るってことだよな・・・。


しかも相手はめちゃ可愛いと来てる・・・どうなっても責任持てないぞ。


ってことで異星人、乱ちゃんは企画の一ヶ月が終わるまで俺の家で同居すること

になった。


つづく。

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