第2話 龍川の決意
俺は滋岡龍川、5歳。滋岡家の次期当主。
だけど、今の日本ではこの一族は落ちこぼれらしい。何故かと言うと昔の滋岡川人っていう人が安倍安仁っていう人に濡れ衣を着せられたらしい。
そこからどんどん落ちる流れになって行ったってこの前本で読んだ。
あ、ちなみに僕は前世の記憶があるから親に見つからないようにコソコソ色々勉強してたんだ。文字の読み書きとか、この時代では霊力という力を使って陰陽術を使えるらしいからその練習とかね。
あと、僕には1歳の妹がいるんだよね。名前は滋岡陽葵(ひまり)。マージで可愛くて、毎日甘やかしたいくらい。でも嫌われたくないから程々にしてるんだけどね。陽葵から嫌いって言われたら結構ガチめに半年くらい凹みそう。
まあ、雑談はここぐらいにして最近ムカついてることがあるんだよね。毎日パパが身体に痣をつけて、ゲッソリとして帰ってくるんだよ。
その理由はお察しの通り冤罪のせいだよ。おかしいよね。僕たちは何も悪いことしてないのに。
正直、恥ずかしいことに俺はパパとママが大好き。前世では親の顔すら知らなかったから、これが愛されるってことなんだって毎日実感してる。だからこそ許せない。だから決めたんだよね。僕がこの滋岡家を復興させて、僕が家族を守るってね。
そして、安倍家には地獄を見さしてやるってね。
だからこそ、僕は絶賛修行中〜。あと一ヶ月後には6歳になるからそこからパパに修行をつけてもらうつもり。あ、ママが入ってきたからこの話は一旦おしまいだね。
「龍ちゃん入るわよ〜」
「ママなにー」
ママが入ってきた。
ちなみにママは滋岡朱里って名前で年齢の割に若い見た目で正直めちゃくちゃ可愛い。いや、息子としてね。異性としてじゃないよ!!
「龍ちゃんの誕生日からお父さんと修行始めるって言ってたじゃない?」
「うん!」
「その次の日お父さん仕事が入っちゃってね。だから講師を呼ぶことにしたの。最近有名な講師みたいなんだけど、龍ちゃんそれでも大丈夫?」
「うん、いいよ〜」
正直、パパの方が良かったけどわがままを言っても仕方ない。それにしてもどんな人なんだろう。可愛い子だったらいいな〜。
「どんな人なの?」
と僕が聞くと、
「えっとね〜、確か8歳の女の子らしいわよ〜」
「……ん?今なんて?」
「だ〜か〜ら〜、8歳の女の子だって」
「え…、えええええええー」
「ガチャ」
俺がこれ以上にないくらい驚いている時、パパが帰ってきたみたいだ。
ていうか僕と2歳しか離れてないのに家庭教師って本当にどんな子なんだ?
でも女の子だったのがちょっと嬉しいって思ったのはナイショだよ。
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