粛清王子の異世界転生

植田道久

「歴史とは血によって創造される」

歴史のページをふと開ければ争いがある。

異世界という神々の悪戯が相互する世界でもこれは変わらないのかもしれない。

そして血を流す日々の蓄積はやがて怒りとなり、国家体制も変貌していく。

革命という民衆によって正当化された暴力行為によって生々しい血が流れるのだ。

ーーーー実に滑稽なことである。

王国歴100年、アルノス王国

専制政治による農業に恵まれた土地と工業発展による経済成長が著しいこの国では、その経済力を糧とし強大な軍事力を背景に領土拡張政策を進めていた。

拡張政策は十数年にも及ぶものであり、国民への抑圧を犠牲による勝利であった。

その国に王子が誕生した。

名はアルノス王国第一王子アレクセイ・イワノフ

前世において革命による粛清で僅か18歳で命を落とし、新天地であるアルノス王国で革命が起きようとしている中で、彼の決断が国内外に大きな影響を与えることとなる。

この物語は革命の産声が鳴り響く激動の時代を若者たちがどう乗り切ろうとしたかを描く物語である。

「時代は動く、そう血によって今まさに動こうとしていた」

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