第3話

「聞こえますかー少しチクッとしますよー」鳴り止まない足音慌ただしく人が行き交う処置室では今まさに手術をするであろう患者の採血やらで大忙しなのだ「田辺先生!急いでください!」慌ただしく処置室に入ってきたのは看護師の雪村とその上司に当たるはずの田辺だったのだ「ちょちょちょ!一応俺上司だよ?!」雪村は田辺の手を引っ張りながらオペ室速やかにまで連行してゆく「田辺先生!救うと言ったからには絶対に手術も成功させなお癌の完治もさせれるんですよね?!」雪村が田辺にまたもや詰め寄る「うんうん助けるからちょっと準備させて?!」

田辺がそうゆうと雪村は仕方なさそうに田辺の腕から手を離す手術はちゃんと「成功させてくださいね」雪村は先ほどとは打って変わって真剣な眼差しで田辺を見るその眼に応えるかのように田辺もこくりと頷いて見せた

手術室のランプがつき待合室には沈黙が流れる「えっ?!来れても3日後?!」看護師の声が響き渡る「遺族の方じゃなくても代理の方で誰か来れませんかね…あーはいわかりました…」・・・「院長ー!!!!」この異常なまでにうるさいのは最近看護学校を卒業したばかりの山口ハルカ一見おとなしそうに見えて中身は全然おとなしくなんてないのだ

「ちょ、ちょっと、ここ病院…」少し言いにくそうにここの院長北川安雄がハルカに注意するするとハルカは怒ったようにこう言い返した「だってあの緊急外来の遺族の人酷いんですよ?!自分の娘が危険な状況なのに自分はのうのうと沖縄にムキ〜‼︎」「ハルカ気持ちはわかるけどそうやってムキになって怒ってちゃアンタがまた悪者になっちゃうだよ?」

奥からやってきたのはハルカの看護学生時代の親友のともかだハルカはともかを見つけると即座に距離を詰めた「ねぇねぇねぇ!緊急外来の患者さんの家族すっごい酷いんだよ?!」ハルカがともかにそう愚痴り出すとともかは一言「そうゆうひともいるんだよ」とだけいい自分の持ち場へさっさと帰ってしまった「院長〜?」「ヒッ!」ハルカは一度怒るとブレーキがかからない子供の時からの悪い癖だそして今ここにハルカを止める人は誰もいないそれを知っていて持ち場へ戻ってきたともかはまさに悪手だ

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