P.9『真夜中の邂逅』

 電柱間の暗がりを速足で抜けたくなるくらい、私は夜道が苦手だ。


 たまに気配を感じるし。ほら……。足を止めて振り返ると、街灯に照らされた猫が見える。


 なぁんだ猫か。


 胸をで下ろして歩き出したけど、何か引っ掛かる。


 そうだ。あの猫、尻尾が――。


 恐る恐る振り返ってみると、そこには何も居なかった。

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