P.7『出るまでは天国』

　扉を開けると、白い空気が襲ってくる。湯気の立ち込める浴室に入って扉を閉めれば、そこは白くて暖かい世界だ。


　体にお湯をかけて湯船に浸（つ）かる。冷えた体に流れ込んでくるお湯の暖かさが心地よい。自然と体と心が解（ほぐ）れていく。


「寒い日はこれに限るねぇ……」


　桃源郷ここにあり――風呂上りは地獄だけど。

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