イルカモネ×
sansooisii
一章 異世界転移
プロローグ
私は兄を救いたかった。
いつも兄を中心とした生き方をしていた。
私にとって、確固たる意思を持ち動いたのは、これが初めてかもしれない。
そんな挑戦をしても、兄を救えなかった。
…救いたかった。
でも、でも、でも。兄はまだいる。また近くにいる。いるから。
多分いるから。いるよね?いてよ?ねぇ?
すがるような言葉が頭の中をくるくると回る。
「本当にこれで終わり…?なのかな。」
こんな絶望的な状況でも不確定な言葉しか出ない。
また兄と会えるという想像をする。
そうしたら、幸せになれるだろうなぁ。
ほとんどが崩れていく中、そう考えた。
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