アピールしなきゃだめですよ!
全然、酔えなかった。
「凄ーい!!」
「えー、恋人いないんですか?」
「何で別れちゃったんですかー?」
「えー、信じらんない!うけるー!!」
目を輝かせている若い女の子達の気迫には負けて、愛想笑いをしながら頷いて聞き役を徹するしかない。
好きな男性のタイプ、得意な料理に趣味特技。休みの日は何をしてるのかなんて、寝溜めに決まってるじゃん。
当たり障りの無い質問が飛び交っている中、女の子達の目が獲物を捕らえるような瞳をしているのも伝わってくる。
まだ20代前半なのに頑張ってるなって思う。あ、若いから頑張れるのか。
「アリカ先生、何ボーッとしてんですか?」
三好ちゃんが小声で耳打ちしてきて、やっと自分も参加しているんだと現実に戻される。
流石にそのままお持ち帰りされる事はなくて、全員と連絡先を交換をしたところでお開きになった。
「もっと積極的にアピールしなきゃ駄目ですよー!アリカ先生は結婚かかってるんですから!!」
「あ。う、うん……」
「ここで輪を広げていかないと、職業的にも出会いなんてないんですよ?」
「そうかなぁ……」
「とにかく!!連絡来たら今日のメンバーで遊べるように手ぇ回してくださいね!!」
消極的だった私は、帰り際に三好ちゃんに釘を刺されてしまう。
無理矢理連れてこられたようなもんなのに、何で年下の後輩に怒られなきゃならないのか。
いや、危機感の無い私に警告をしてくれているだけなのだろうか……?
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