第5話 扉の前で

俺は。

ただずんでいた。


部屋の中に。

お前が消えて数十分。


チャイムを押す指が。

震えたまま動かなかった。


分かっている。

どのツラ下げて。


お前に。

会おうというのか。


だけど。

忘れられない。


そうなんだ。

俺は、お前が好きだ。


あれから。

一生懸命、働いた。


今は。

給料は安いけど。

定職についている。


だから。

あぁ、神様・・・。


アイツに。

言い訳できる時間を下さい。

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