機体性能紹介:量産型ザレンダー


   正式名称:二足歩行型現出兵器 ザレンダー

   型式番号:(例)TRD-Xxx

個体識別コード:なし

     全長:20.4m

   全備重量:53.9t

     出力:約1000kW

     動力:原子力

    開発日:二〇九九年二月二十五日

   開発組織:対侵略世界安全管理局

        アメリカ支部直属の開発部


 主な機構:二眼型反応センサー(頭部前面)

      小型スモーク煙幕(両肩装備)

      脱出機構付コックピット(下腹部設置)

      PRS機構(頭部、胸部内蔵)


 主な武装:刃渡5mアーマーブレイド(右腕部内蔵)

      口径90mmハンドガン(左腰部装着)

      四連ミサイルランチャー(両脚外側内蔵)



・概要


 地球外生命体「インプレス」に対抗するため開発された、安全管理局が保有する灰色の人型兵器。

 本機体は現在地球が持ちうる全科学力を結集させて作られたものであり、インプレスへの有効性や量産可能性、パイロットの安全性などありとあらゆる要素を詰め込んだ最初にして最高の量産機となった(七月現在)。


「ザレンダー」(英:ThaRenDer)は、表現することを意味する”Render”から名前が付けられている。これは、「インプレス」が印象付けることを意味する”Impress”から名付けられたことと関係しており、それぞれが対義的になるように命名された。


 ザレンダーの最大の特徴は、今までにない人の形をした兵器だという点にある。

 以前までにも人型兵器は開発が進んでいたものの、自立機構の不安定さなどを理由に実用化までに至らなかったものが、インプレス襲来によりそれらの研究が迅速に進み、シャク博士が開発した自立支援機構「神経インタラクト」の適用によって人型兵器の運用が可能になった。


 神経インタラクトはコックピットの座席後部に設置された機構で、搭乗者の後頭部に当たる位置に神経接続のための針を縦に三本並べてある。

 搭乗者が目の前の操作パネルに両手が触れたことを条件に三本の針が後頭部を刺すことで、ザレンダーに内蔵された自立機構と操作機構に直接アクセスすることができる。

 これによって、搭乗者は思うようにザレンダーを動かすことができるようになるが、その代償として搭乗者は平常時の3倍のエネルギーを消費するため、ザレンダー操縦後は立てなくなってしまうことには注意が必要だ。


 インプレスは通常の兵器ではダメージを与えることが不可能なため、特殊な加工がされた金属「特効金属」を使った武器装備がザレンダーには使われている。

 例えば右腕部に内蔵されたアーマーブレイドの刃先は特効金属が使用されており、実験にてその効果が発揮されたことが確認できた。

 また機体のウィークポイント(コックピット周りや関節部分)にも使われており、インプレスの攻撃にもある程度の耐久性を示した。


 全ザレンダーには、対インプレス最終手段として「PRSプラーズ」が搭載されている。

 偶然入手したインプレスのボディを採取し造り上げられた本機構だが、シミュレーションではインプレスを撃退に追い込むほどの強力な効果が見受けられた。

 しかし、実践においてはその効果を発揮できず、発動条件に関する設計ミスが問題視された。


 開発から半年以上解明を試みるも、十三から十九の男女なら発動する可能性があることしか判明せず、徐々に侵略を許しつつある今現在では最重要任務として、安全管理局はその解明に取り組んでいた。

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