異変の再発

深夜の静寂が、部屋を包み込んでいた。


天原ユウはベッドの上に仰向けになり、天井を見つめていた。


家の中は静まり返り、聞こえるのは時計の秒針の音だけ。0:00 を回ったばかりの夜、彼の意識は冴えていた。


窓の外から微かに夜風の音が聞こえる。だが、それが何故か、いつもより重く感じた。


ユウは深く息を吐く。


「……寝れねぇな」


夕方の出来事が頭から離れなかった。


あの銀髪の少女の言葉——「世界が書き換えられる瞬間を、君は見たことがある?」


そして、二つの月。


それが現実だったのか、それとも何かの錯覚だったのか。


ユウの中に、じわりとした不安が広がり始めていた。

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