第4話 街への道
孝太は門兵の男とともに歩き始めた。
見渡す限りの草原。空には二つの太陽が浮かび、異世界の景色を強く実感させた。
「お前、名前は?」
門兵の男が尋ねてくる。
「孝太……です」
「コウタか。変わった名前だな。まあいい。俺はガルフ。この近くの
孝太は心の中でメモを取るように名前を繰り返した。
「さっきは驚いたぞ。お前、魔術師なのか?」
「え?」
「“敵意はありません” なんて、まるで《言霊の魔術》みたいだった」
どうやら、この世界には言葉に力を宿す魔法があるらしい。
孝太のスキル《プログラム言語の加護》も、それに近いものなのかもしれない。
「いや、俺は……ただの旅人です」
「ふむ……まあ、街に着けば冒険者ギルドで身元を確認される。余計なことは聞かんでおこう」
孝太はほっとした。
しばらく歩くと、遠くに城壁に囲まれた街が見えてきた。
「着いたぞ。あれがバルドールだ」
バルドール
異世界での最初の街——
孝太の新たな人生が、本格的に動き出す場所だった。
バルドールの街
城壁の前には大きな門があり、門兵たちが警戒している。
「身分証を見せろ」
ガルフが門兵に話しかけると、門兵たちはすぐに通してくれた。
「そいつは?」
「旅の者だ。ギルドで身元を確認する」
孝太は何とか街に入ることができた。
中に入ると、そこには活気に満ちた街並みが広がっていた。
露店が並び、人々が行き交い、武器や防具を売る店もある。
まるでRPGの世界そのものだった。
「まずは冒険者ギルドに行くぞ」
ガルフに連れられ、孝太はギルドの建物へと向かった。
この出会いが、やがて世界を変える運命をもたらすことになる——
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