後編

 税務署の予約も、正直ややこしかった。

 近所の税務署を検索し、そこのHPに記載されていた番号に電話したが「LINEで予約してくれ」と。

 え。

 税務署での相談は事前に電話予約しろと書いておいて、確定申告はLINE経由のみ?

 ならそう書いてくれよ!


 そして予約日。

 必要そうな書類を全部抱えて行ったら「確定申告なら近所に会場があるからそっちへ行ってくれ。その場で提出できるから」と、当日券を手渡される。

 聞きたいのは計算明細書の書き方――というか、ソフトに入力する数字だけだったのだが、そっちの方が効率的なんだろうなと大人しく移動。

 車で数分の距離にある会場は、臨時のブースがならび、蛍光色のジャンパーを着たスタッフが申請者を補助していた。


(思ってたのと違う展開だけど、最後までやってくれるらしいし、目的達成できれば良いか)と並ぶC。

 完全なフラグ。



 Cのネット環境は物件付帯のWiFiのみ。

 外でPC使うなら、飛んでるWiFiを拾うか、スマホでインターネット共有。

 だが会場はノーWiFi、スマホも電波ギリギリ。

 ブラウザにログインするタイプの会計ソフトだったので、スマホから入ればよかったのだが、そこまで頭が回らず。

 スタッフがサクサク計算してくれたので、もうe-Tax(スマホ)で提出すればいいやとなる。


 幸いにも領収書も全て持参していたので、スマホにポチポチして事業所得を入力。

 今までの帳簿づけが無になった瞬間である。

 ソフトに記録した帳簿を提出すれば上の額で特別控除できたが、今回は大した額ではないのであまり変わらないだろうと判断。青色にした意味よ。


 次に計算で詰んでた所得税もポチポチ。

 おっと年末調整し忘れていた生命保険があったわ。

 あ。間違えて古い書類持ってきてら。

 みんな! 証明書の類いは、ちゃんと今年度のものか確認しようね!


 最後まで進んだところで「提出先が違う。住所間違えてる」と、戻ってきたベテランスタッフに指摘される。

 住宅ローン控除は自宅を対象としたものなので、提出先は自宅がある地域の税務署。当然だよね。

 でもCは仕事で遠方に仮住まい中。さっさと終わらせたくて、直ぐ側にある税務署に提出してぇなとそっちの住所を入力していた。


 はい一からやり直し!

 データ保存していたので、人生2周目状態でやり直せたのが不幸中の幸い。

 ベテランスタッフが指摘してくれなきゃ終わってた。

 そのベテランは、取り下げの書類もサクサク作ってくれた。


 源泉所得税が入力されていないことをスタッフに指摘され、入力する。

 えー。一回目に入力したときに、こんな項目あった?

 控除予定額が変わる。


 通知系は全部電子希望にしていたが、「不備があった場合の通知は書面の方が楽」だとスタッフに教えてもらう。

 やはりベテラン。さすがベテラン。こういう手続き系は人間しか勝たん!


 データ引用して住所だけ訂正すれば良い話だったのに、気がついたら通しで修正するはめになっていた。

 全部終えた頃には、会場入りしてから2時間が経過。

 あんなに利用者で賑わっていた会場がすっからかん。

 そうです、私がラストです。脳内で蛍の光が流れる。

 ありがとうございます、ありがとうございます。すみません……とペコペコしながら会場を後にする。

 なんだかんだ入れ替わり立ち替わり、色んなスタッフのお世話になった。


 確定申告は期間内であれば再送信したら、自動的に新しいものが受理されるらしい。

 家に帰って生命保険を入れ直す。

 ちなみに会計ソフトでやり直せるんじゃないかと思ったが、会場で入力した画面とソフトの入力画面が違いすぎてそっ閉じ。

 となるとPCサイトにスマホからログインして、再びあの会場で再提出……(白目)。

 試しに確認したら、画面崩れが酷くてとてもじゃないが操作できない!

 危ない危ない、事前に確認しておいて良かった――クソが!!!!


 大手ソフトで無料期間が長いのが魅力だったけど、使いにくいこと山のごとしだったので、もうひとつのソフトに乗り換え。

 そちらはアプリからでも簡単に記帳できるし、確定申告も○×答えていく形式だったので楽ちん。

 口座連携したら自動で反映されるのは凄いが、源泉所得の入力だけ難解で手間取った。しかし本当にそれくらいしか困ることがなかった。

 鬼門・住宅ローン控除の計算も「この書類見て」「この数字を掛けて割って」と小学校の先生のような優しさ。

 でもできあがった計算明細書は、会場で作ったのと少し数値が違ったので修正。「家の代金」が「建物だけ」なのか、建物+土地の「支払合計」なのか、その表記じゃ間違える人いるでしょ。私とか。

 照合できたという点では、先日の2時間は無駄ではなかった!


 アプリで提出したが別途、年末残高等証明書や不動産売買契約書などの書類を提出しなければいけない。

 提出手段はPDFにして送信か、管轄の税務署に現物を郵送か直接持ち込む。

 Cは郵送を選んだ。本当は持ち込んでその場でチェックしてもらいたかったけど、予約とか必要なんでしょ。


 最後にLINEで国税局からアンケートの要請が。

 来年度について聞かれ、死んだ魚の目で「税理士に任せる予定」を選択。

 税理士に頼むくらい稼ぎたいけど、無理だろうな。

 初年度以降はネックだった住宅ローンが年末調整で処理できるっぽいので、今回よりはマシだと信じたい。


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VS確定申告 @leandra

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