第2話 タイプは何?

俺には最近悩みがある。

1番後ろ、窓際の席で隣に座るロシア語を話す美少女、なんてものはいないが、

右斜め前からひとつ前の席、俺には気になる女子がいる。あの子がプリントを左から渡すのは俺を意識してるからに違いない!

どうすればこちらからもアピールし返してあげれるだろうか、、


月曜2時間目の技術の授業が終わる。

「なぜタイプCに統一しないんだか、」

USBの上下を間違えてムカついていた時、俺は衝撃的な思いつきをする。

「目が合うまで見つめ続けてればいいんじゃないか、!??」

脳が勝手にあの子の顔をイメージする。

...季節外れの暑さを吹き飛ばす春風が髪を靡かせた気がした。

頭が埋め尽くされてしまって、自分が今どんな顔をしてるのかが想像できなかった。


火曜の昼休み、イカした前髪を鏡で確認する。

気づけば午後なのは、体育だとか化学の移動教室だとかで席が変わったせいだからな。

この先に起こる展開を予想する。脳に浮かぶ可憐な美少女の微笑みとは対称的な、ニヤけた顔がこちらを覗いていた。

だめだ、自分がこんな顔をしてただなんて大誤算だ。目が合ったらこちらも見られることになぜ気づけなかったんだ。

カラスの声とチャイムが同時に5時間目の始まりを告げる。

間接視野であの子を捉えつつ、窓に映ったニヤけた自分に向かってつぶやく。

「きっと頭がいっぱいだったに違いない、SDカードリーダーでもあれば気づけたはずなんだ。」

いったい頭にはどの種類のUSBがさせるのだろうか。


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