第5話「柿」
今日、穴を掘った。
今住んでいる家の庭先に掘った。
柿の苗を植えるためだった。
シャベルを握ったのは久しぶりだった。手先に感じる土の重さに、懐かしさを感じた。
定年で仕事を辞めて暇を持て余していた中、ハマったのが庭での菜園作りだった。
農業というのは奥が深い。土、栄養、植物の害虫や病気などいろんなことを学ばなくてはいけない。穴掘りは、無数にある大変な農作業のうちの一つに過ぎなかった。
それでも、外で日の光を浴びながら土と格闘していると、なぜだか気分が晴れやかになるのであった。
柿の実を収穫するのが楽しみだ。
****
男の子が庭で遊んでいた。庭には大きな穴が空いていた。
彼は、好きなだけ砂掘り遊びができる祖父の庭が好きだった。
スコップを持って夢中になって遊んでいる彼を、大きな柿の木が見守っていた。
終
今日、穴を掘った ユウケン @yuken88
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます