第3話「戦争」

今日、穴を掘った。


遠い外国の土地だった。


敵の銃弾と砲弾から逃れるためにひたすら掘り進めた。


重たく、大きなシャベルを使って掘った。シャベルは時に、人を殺す武器にもなった。


攻撃が始まると、銃弾がひっきりなしに上空を飛び交う。穴を掘っている最中も、戦闘機と砲弾の音に気をつける必要があった。爆風を逃れるために地面に伏せると、目の前に血まみれになった仲間が倒れていた。


大きな穴同士はつなげられ、壁面はコンクリートなどで補強された。もう何日もここにいる。

今や、塹壕の大きさはどれくらい長くなっているかよく分からなくなってきた。


この塹壕はどこまで大きくなるのだろうか。


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