第12話 結婚決定と告白

「ナタリア…」

「ソラ…」


俺とナタリアは肩を組んだ。


『最悪だ!どうしてこうなった!?』


ハモって同じことを言った。本当に綺麗にハモって。


「ちょっと、2人ともどうしたのよ?」

「いや、いいことなんだけど…」

「むしろお願いしたいことなんだが…」

「「心の準備ができない!!」」


また俺とナタリアはハモって同じことを言った。流石にウラーも驚いているみたいだ。


「えっと…聞いていいやつ?それ?」

「あぁ、う、オークラには言っていいと言われているしな」

「ふふっ、じゃあお昼の時にしよっか」

「だな」

「それ、私も入っていい?」

『!?』


昼休みに話そうと約束していた時にびっくりする人物が来た。いや、同じ学校通ってるから別に不思議ではないんだけどカリー王女殿下が来るとか聞いてないよ!?クラスメイトも硬直してるし。


「か、カリー王女殿下お久しぶりです」

「?ソラさん?」

「ゴッほん、カリーさんお久しぶりです」


実はこの前ナタリアの家に行った時、カリーさん1人だけが来ていてその時王女殿下呼びはやめて欲しいって言われてたんだった。ナタリアも了承してカリーさんになったけど…慣れねぇ!


「カリー王女殿下、お久しぶりです。」

「あなたはウラーさん、ですよね?」

「はい、ウラー・オークラです」

「それより、カリーなぜ来たんだ?」

「昨日のことをソラさんとも話したいと思っていたから来ちゃいました」

「はぁ〜」


ナタリアは溜息してるけど俺もウラーも結構緊張してるからね?俺達の家も地位としてはすごいんだよ?でもな、ナタリア以外の公爵と会う時さえ緊張するのに王族だよ!?緊張するよ、流石に!


「そういうことなのでソラさん、ウラーさん、お昼一緒に食べましょ♪」


うん。ギャップがやべぇ。王女様ってこと忘れそうになるわ。カリーさん、結構お茶目というかこういうところは年相応の感じがするんだけど…貴族のパーティーで会うと王女様って感じがするからなんとも言えないわ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なるほど…それは大変ね、特にソラは」

「国の婚約パーティーが約3週間後だからね。しかもナタリアとカリーさんと一緒だとは言え…流石に王族と合同結婚式は緊張するし…まぁラターシャに何かあったほうが俺は困るからいいんだけどさ」

「そうだな。カリーに何かあったほうが良くないしな」

「2人ともずっと大事にしなよ?」

「「あぁ、もちろん」」


ウラーは少し俺らを揶揄うように言った。カリーさんは…あ、顔が真っ赤になってる。そりゃあ好きな婚約者にそんなこと言われたら恥ずかしいし嬉しいだろうな〜。俺はラターシャをどう思ってるんだろうか。大切ないや特別な存在なのは確かだ。ラターシャに何かあったら我を忘れてしまうくらいには。確かに先輩に勧誘されていた時、ちょっと血管が浮かび上がってちょっと魔力荒ぶっちゃったぽいけど…これが恋なのか?ラターシャの顔が浮かんだ。顔が熱い。そして自覚した。俺は多分ラターシャのことが好きなのだと。


ーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ、そういえばラターシャは婚約パーティーの時どんな服を着るの?」

「多分、前の婚約パーティーのだと思います」

「そっか」

「ソラもですか?」

「多分な、男はそんな用意するもんないし」


事実本当にそうだった。メイクなんてしないし、やるとしても髪を整えるくらい。服は選んだけど本当に数分で選んだし。


「ねぇ、ラターシャ」

「なんですか?」

「俺と本当に結婚して良かったの?」


実はずっと思っていた。恋心を自覚してからもっと思うようになった。自分に自信が本当にないからな〜俺。


「ソラ、怒りますよ?」

「え?」


あれ?魔力が荒ぶっている?


「ソラはそんなに知らないでしょうけど、婚約をお願いしたのは私なんですよ?」

「え!?」


いや、確かにラターシャが元々俺のことを知ってくれて気になってくれていたっていうのは聞いたけれども、そんなこと聞いてなかったわ。


「顔合わせで写真撮った時もとてもドキドキしてたんですよ?」


え?ドキドキしてんの俺だけだと思ってたわ。


「だから、その私はソラがだからお願いしたんですっ!」


恥ずかしくて語尾がちょっと変なラターシャ。俺はその姿が愛おしくてつい抱きしめてしまった。


「そ、ソラっ!?」

「ごめん、俺ラターシャの気持ち気づいてなかった。俺はラターシャと会うたびに大切から特別になってた。好きになってたんだ。ラターシャのことが」


俺はラターシャと体を一旦話した。ちゃんと目を見て話したかったからだ。ラターシャはちょっと涙ぐんでる。


「ソラ…」

「俺と出会ってくれてありがとう。結婚はまだ早いか…婚約者として選んでくれてありがとう。ラターシャ、大好きだ」

「…はい。……はい!私も大好きです!ソラのことが大好きです!」


ラターシャはとってもいい笑顔で涙を流した。俺はまたラターシャを抱きしめた。体を離したあと、俺らはおでこを合わせた。そしてお互いを見て笑いあった。そして俺はラターシャの頬にキスをした。流石に結婚してないしね。いや、していいんだけれども。すると、ラターシャも俺の頬にキスをした。そしてお互いに笑い合い寝た。いつもとは違いお互いを見ながら。



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