第6話 魔法練習場
「?ここは?」
「父さん達の墓なんだ」
ある日の日曜日、俺とラターシャは父さん達の墓に来ていた。この世界では木の下に埋葬することがほとんどで、父さん達も大きな木の下に眠っている。
「つれて行きたいって言ったたのはここのことですか?」
「うん、まぁそれもそうなんだけど…えっと、あ、あった」
俺は地面を触った。その瞬間地面が割れ、階段が開かれた。
「これは!?」
ラターシャは口を開いて驚いている。まぁ、俺も最初知った時は驚いたけどね
「俺の父さんと母さんは魔法師団のエースだったんだ」
葬式の時魔法師団の上層部までが来ていて驚いた。聞けば父さん達の死を聞いた上層部は頭を抱えていたらしい。まぁそれほどの重要人物ということだろうけど。
「それでこれを作ったんだって」
「これは練習場?」
そう。地面の下には空間が広がっていて練習場があるのだ。父さん達が全力で魔法を使って作った父さん達の形見みたいなものだ。
「ここなら魔法どんだけぶっ放してもいいし壊してもすぐに再生するから安心して」
「ありがとう!」
ラターシャのやりたい事を少しでも手助けしたかったから良かった。
「俺も久しぶりにやろうかな」
「え!?」
ラターシャは目を見開いた。なんてったって俺が無詠唱で魔法を放ったのだから。
まぁ、普通そうなるよね。だって無詠唱で魔法を放つ人はこの国では本当に少なく貴重な人材だからだ。無詠唱で魔法を放てることは叔父さん達にも教えていない。当主になるから魔法高等学校には入れないけど趣味とか何かあった時に対応できるようたまにここに来ているのだ。
「ラターシャの魔法レベルは?」
「あ、えっと56だけど…」
「56!?」
56って魔法師団のエースレベルじゃないか!?
「でも、無詠唱で使えなくて…」
「大丈夫!俺なんて31だよ?倍近く持ってるならすぐできるはずだよ」
ラターシャは本当に?って疑ってるけど多分ラターシャだったら一時間ぐらいでできちゃうんじゃね?頭いいし。
そして一時間後…
「うわ!すごい見て!できた!」
「ん…うん!すごいね!」
ラターシャさん、あなた俺より上手くなってない?すぐに魔力探知も取得して無詠唱なんて30分で覚えちゃうなんて…レベルが高いのもあるだろうけど吸収力が半端じゃないな。
「じゃあ、父さん達特製の魔物で戦ってみる?」
「魔物!?」
父さん達がこの練習場を作って4日がかりでやったらしく、終わって試してる時に魔物作って練習できたほうが良くない?と思ったらしく、深夜テンションで災害級やら大型などの魔物を作っちゃったらしい。俺の両親どうなってるの?ボタンを押すごとに魔物が増えて、レベルが上げれることもできちゃうのだ。俺にとっては最高の練習場所だ。
「大丈夫。死なないようになってるし転んでも治癒魔法がかかるようになってるから」
「じ、じゃあやる…」
「よし!じゃあ準備して!」
まずは大型でいいか。
「撃て!」
そしてラターシャが炎魔法を放つとあっさりと魔物が消滅した。
「え?できちゃった?」
本人は自覚がないらしい。
「よし!魔法をもっと極めて魔物を討伐しよう!」
「うん!」
そしてラターシャは一日で災害級を何体も倒せるように成長した。
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