第3話 顔合わせしました
「でかっ!」
俺は顔合わせのためカラータ家に来た。悪いけどイシャーラ家よりでかい!
「あ、義父様」
「ウターラの家だが顔合わせとなると緊張するな」
いや叔父さん、まず俺が緊張してるんですけど。叔父さん会ったことあるでしょ。まぁ仕方ないのかも?
「えぇ、私も緊張しています。なんせラターシャ様に会うのが初めてなので」
「確かにそうだな。言葉使いは気をつけるように」
「はい!」
叔父さんは微笑みながら頷いた。やばい門の前なのに緊張して足と手が同時に動きそうだ。気をつけなければ。そしてウターラさんがドアから顔を出した。
「ようこそ、我が家へ。どうぞ入って」
そして門を開けてもらった。
「1週間ぶりね。元気にしてた?」
「はい、今日はお招きいただきありがとうございます。失礼します」
そして俺はカラータ家に入った。外観も凄かったけど内装もすごいな
「主人もラターシャもリビングにいるわ」
そしてリビングに着くと、ソファに座っていた2人が立ち上がった。
「初めまして、ナヒール・シャオ・カラータだよ。よろしくね」
イケメンの男性だ。40代って聞いてるから分かるけど知らなかったら20代後半っていえそうだな。この人がもう1人の義父になるのか、なんかすごいな。
「は、初めまして。ソラ・シャオ・シャーラです。今回はお招きいただきありがとうございます」
深々と礼をした。緊張で心臓が出そうだ。
「私はラターシャ・シャオ・カラータです。よろしくお願いします」
カーテシーをして顔を上げた。美人だ。びっくりするほどの。この人と結婚、いや婚約かするのか…いろいろ言われそうだな。悪いけど嫌な予感しかしない。
「ソラ・シャオ・シャーラです。よろしくお願いします」
「さぁさぁ、座りましょう。顔合わせなのです。そんな堅苦しくせずに話しましょう」
いや無理だから!叔母さんと叔父さんはともかく俺は無理だから!公爵の人と会うだけでド緊張するのに、顔合わせなんて…無理に決まってるから!なんてことは言えない。やべ、百面相して無かったかな?
「じ、じゃあ失礼します」
俺はソファに座った。
「では、本題に入るけどラターシャとソラくん2人の婚約に反論はなしということで大丈夫ね?」
「はい、大丈夫です」
叔母さん、緊張してるなこれ。笑顔がちょっと引き攣ってる。家族にしか分からないだろうけど。
「2人も大丈夫かしら?一応政略結婚だからね。」
「はい。自分が望んだことです。反論なんてありません」
これは事実だ。自分で決めたことだし俺にとっても家族にとっても得がある。こんなこと叔母さんに話したら呆れられるだろうな。私達のために結婚するの!?そんなのだめよ!って。そろそろ親孝行したいからね。
「同じく、私の意思です。」
「そう。じゃあ、婚約決定ね。書類を用意してあるわ。準備しましょう。あ、後書類を準備している間写真を撮りましょう。2人はあっちの部屋に行ってて」
「はい、お母様。ご案内します。」
俺はラターシャさんに着いていった。ここに嫁ぐんだよな。道に迷いそうだ。そしてドアを開けてソファに座った。
「ラターシャ様、ちゃんと言っておりませんでしたのでこの場で言わせていただきます。どうぞよろしくお願いします。」
俺は礼をした。
「こちらこそです。あと、ソラ様。ラターシャ様ではなくラターシャとお呼びください。」
「えっと…ラターシャさん?」
「呼び捨てでお願いします。」
よ、呼び捨てですか!?い、いや駄目だ。これは婚約者として呼び捨てにしなければ。
「ラターシャ、私のことも呼び捨てでお呼びください。」
あ、やばい。ウラーしか女子の友人いなかったから知らなかったけど、呼び捨てってこんなに恥ずかしいんだ。
「分かりました。そ、ソラ」
ラターシャは顔を真っ赤にして俯いた。俺も俯いてしまった。少しの沈黙があったけどその理由はどっちも恥ずかしかったからだ。ガチで恥ずかしい。そう思ってるとノック音が聞こえた。
「あ、はい!どうぞ!」
俺はびっくりしたのと空気感を変えたかったのですぐにドアを開けた。
「失礼します。お写真を撮らせていただきます。」
公爵令嬢だからニュースになるだろうな〜、だって雑誌に載るんでしょ?やだな〜。なんて言えない。
「服はお二人共大丈夫そうですね。ソファに座って近づいてください。手を握っていただいてカメラに向かって微笑んでください。」
注文多いな!?初めて会ったのにこんなことになるとは思ってなかったわ!
「じゃあ、手を…」
写真を撮る人はニマニマしている。この人Sだ。最悪だ!
「ふふっ、緊張してるんですか?大丈夫ですよ」
ラターシャはニコニコ俺のほうを見た。こんな人だったんだ。さっきまで堅苦しかったからあれだったけど…かわいいな…この人…
「ありがとう」
そして俺達は手を握って少し照れ顔だったかもだが、写真を撮り終えた。
「お疲れ様だったわね」
撮り終えた瞬間ウターラさんが来た。
「あ、ウターラさん…と呼んで大丈夫でしょうか?」
「うーん、そうね、お義母さんでどうかしら?」
まぁ間違ってないからそうした方がいいか
「では、お義母様。お願いがあります。」
「何かしら?」
「公爵のナタリアと候爵のウラーにこの婚約の事を先に報告してもいいでしょうか?」
なぜか2人は驚いていたラターシャやお義母さん公爵だから知り合いじゃないのかな?
「あ、ごめんなさいね。えぇ、教えていいわよ。発表するのはすぐだしね。友人の婚約話も聞いといた方がいいと思うわ。」
「ありがとうございます!」
良かった〜。婚約するにあたってパーティーとかもあるとか言ってたから聞いときたかったし、ラッキーだ。友人がいて良かったわ。
「あ、そうだ。ソラくん、あなたはカラータ家に婿としてくることになるわ。だから今から花嫁修行ならぬ花婿修行をやってもらうわよ!」
なんかお義母さん俺の反応楽しんでる?このお義母さん結構腹黒な気がしてきた…
「え、あ、分かりました。えっと今からですか…?」
するとお義母さんは少し悩み顔した。
「そうね〜泊まりがけで修行してほしいんだけどいい?」
「私はいいよ。ウターラもいるしな」
叔父さん、お義母さんのこと信頼してるんだな〜
「私も大丈夫です」
嫁ぐんなら部屋とか覚えとかなきゃだし、あと使用人さんも人がうちの倍いそうだから覚えないと
「じゃあ週1でどうかしら?後から増やして行く感じで」
「分かりました。日にちはどうしましょうか?」
「じゃあ、日曜日に泊まって月曜日にうちの馬車で学校まで送るわ。どうかしら?」
「はい。大丈夫です」
1番いいかもしれないな。土曜日はほとんど学校がないから家で休憩出来るし、この家でも少しは休憩出来るだろうからラッキーかも
「じゃあ、また来週ね」
「はい!お邪魔しました」
そして顔合わせは無事に終わったのだった。
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「…カッコいい人だったな…」
綺麗な顔立ち、高身長で少し恥ずかしがり屋。ラターシャは手を握って写真を撮ってる際、倒れるかと思うくらいドキドキしていた。
「来週か…」
そしてラターシャはソラに会うのが楽しみになったのだった。
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