21話「静粛ニー×ヒールの美容革命! 異世界整形ビジネス開業!」

包囲される社長一行。


聖女の神罰の槍が、まさに彼らを貫こうとしたその時――


「静粛ニー!」


――ドゴォッ!!


聖女の顔面に、鉄槌おじさんの膝蹴りが炸裂した。


社長「何やってんだぁぁぁぁ!?」


鉄槌おじさん「静粛に。」


社長「静粛どころか戦争になるわ!!」


――だが、衝撃の直後、聖女の顔が輝いた。


「……ん? 肌……ツルツル……?」


聖女が自分の頬を触ると、見違えるように滑らかな質感になっていた。


社長、思わずツッコむ。


「え!? 静粛ニーって、美容効果あるの!?」


生保レディ、すっと手を差し出す。


「そこでオススメするのが、"静粛×ヒール整形"♪」


社長「どこで売る気だ!!!」


聖女、黄金の杖を構えながら言う。


「……ヒールを試してみるわ。」


バシュゥゥゥッ!!!


聖女の杖が輝き、鉄槌おじさんのヒールが発動!!


先ほどのニーの衝撃を受けた顔が、さらに美しく整った。


聖女「……完璧な小顔……!」


生保レディ「これが “静粛ヒール整形” です♪」


社長「いや、ふざけんな!! 今、戦闘中なのに整形ビジネス立ち上げるな!!!」


生保レディ、プレゼンを続ける。


「これまでの美容整形は、切る、縫う、腫れる。ダウンタイムが問題でした。しかし、静粛ニーによる即時のフェイスライン矯正と、ヒールによる瞬間回復で、ノーダウンタイム整形 を実現♪」


聖女、ガチで興味津々。


「えっ、それめっちゃすごいじゃない!」


社長「乗るなぁぁぁ!! お前は俺を処刑しに来たんだろ!?」


聖女、冷静に。


「処刑より、"美" でしょ?」


社長「えぇぇぇぇぇぇ!?」


聖女が生保レディの手を取る。


「これ、私がプロデュースしたら、異世界の美容業界を独占できるんじゃ……?」


社長、震えながら叫ぶ。


「お前ら、まさか……手を組むのか!?」


生保レディ、にっこり微笑む。


「もちろん、ウィンウィンです♪」


鉄槌おじさん、腕を組む。


「異世界に静粛ヒールを広めるのも悪くない。」


社長、完全に蚊帳の外。


社長「待て待て待て!! 俺はどうなるんだ!?」


生保レディ「社長様は、このまま異世界に残るという契約でよろしいでしょうか?」


社長「勝手に契約すんなぁぁぁぁぁ!!!」


しかし――


次の瞬間、世界が光に包まれた。


生保レディ「では、現代に帰りましょう♪」


――社長の意志とは関係なく、彼らは異世界から消えた。**


エピローグ ~現代・ニッコリフーズ本社~


現代日本。ニッコリフーズ本社。


社長、机に突っ伏しながら震えていた。


「……夢じゃなかった……」


だが――


テレビの画面には、堂々とした聖女と生保レディの姿が。


【速報! 異世界美容革命! 静粛×ヒール整形、世界進出!】


社長、絶叫。


「結局、俺だけ得してねぇぇぇぇ!!!」


鉄槌おじさん、静かに言う。


「静粛に。」


バキィィィィッ!!!!


社長のオフィスに、異世界と変わらぬ悲鳴が響いた――。


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