第28話 帰宅③

特急サンダーバード22号大阪行きは敦賀駅を発車し、福井県から滋賀県へと移動していく。


近江塩津駅を通過する時、ここから列車は湖西線を通るため、進行方向左側には北陸本線の線路が見えた。


高架がずっと続く湖西線では特急サンダーバードは本気を出す。車両性能の限界である最速130km/hで琵琶湖の上側を全力疾走していく。


湖西線に入り、近江今津駅を通過した頃、敦賀駅で買った駅弁「鯛の舞」を食べる。鯛のお寿司がぎっしりと詰まったお弁当だ。値段こそ1600円と少し高いのだが、食べてみるとその美味しさに驚いた。


「これはうまいな...」


と思わず呟いてしまうほどの美味しさだった。


結構量もあったがあっという間にぺろりと食べ切れた。食べているうちにもう近江舞子どころか堅田すら超えていた。そしてもうすぐ山科を通過するところまで来ていた。


特急サンダーバードは京都で降りようかとも迷ったが、予約がめっちゃくちゃめんどくさくなるので行きと同様、人が多いけど新大阪乗り換えにした。


山科駅を超えたところで、京都駅到着放送が稼働する。


そして特急サンダーバードに乗っていた人のうち、4割近い人たちが降りる準備を始めた。


列車は京都駅7番乗り場へと滑り込んで行き、列車が停止位置に止まった。


たくさんの人が降りるが、京都から乗り込んでくる人も少なからずいた。


しかし乗車率は多少落ちている感じがした。


1分ほど停車した後、京都駅を出発し、次の停車駅である新大阪へとまた動き出す。ここから先はJR京都線。先行列車などいない外側を最速130km/hで飛ばしていく。


全ての新快速や一部特急が停車する高槻駅すら、この特急は通過していく。指定席に座りながら見えてはすぐ消えていく景色を眺めていた。


茨木駅を通過後、右側に現れる大きなチョコレートを眺め、記念として写真を撮った。なかなか関西に来ることなんてないからね()


列車が吹田駅を通過した頃に到着放送が稼働を開始する。


『まもなく、新大阪です。新幹線・おおさか東線・地下鉄線はお乗り換えです。お降りの際は足元にご注意ください。新大阪を出ますと、次は終点、大阪に止まります。』


この放送が流れた途端、荷棚に置いていたキャリーバッグを用意してデッキへと移動する。列車は新大阪駅9番乗り場に到着する予定で、9番乗り場は進行方向左側にあるのでデッキの左側で列車のドアが開くのを待つ。


そして14時32分。列車は定刻で新大阪駅に到着した。当駅で15時02分発「のぞみ33号」博多行きに乗り換える。他にも41分発ののぞみ号はあったが残念ながら乗り換え時間が厳しいのと席が取れなかった。


なのでここで30分待機だ。せっかくだし新大阪を楽しむとするか。

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