ドキドキとは?

 カナヨとの勉強時間は、それはそれはドキドキしっぱなしの、振り回されっぱなしです。

 

 

 だから、オレは逆にドキドキさせてやろう作戦に出てみました。

 

 

 まずは、初級編から参りたいと思います。

 

 

 いつも通り、カナヨは休日になるとオレの部屋に入り浸る。

 

 

 そして勉強をしたりするんですが、基本休憩タイムが訪れる。

 

 で、息抜きにゲームとかをするんですね。

 

 なので、あえてカナヨの近くに座りまして、あぐらをかいて座ったときに、うっかりカナヨのあしにオレのあしが、少しあたっちゃう作戦です‼︎

 

 

 予定通りにゲームをすることになりました。

 

 で、結構近くに座りましたとも。

 

 

 そして、あしを軽く当てる…つもりだったけど、届かん。

 

 微妙に届かん。

 

 

 なんなら、あしがつるぞ?ってな勢いだ。

 

 くっそ…と、あしとのたたかいをしていたら、あまりにゲームに集中しなすぎて、

「んもー、なにしてるの〜」

 って、肩をトンってされました。

 

 

 肩で肩をトンって。

 

 おおぅ♡

 

 それもありじゃねーか‼︎

 

 てかよ、オレよりカナヨは…ドキドキの女王さまなんじゃなかろうか?

 

 …

 

 それは、オレも見習いたい。

 

 心で軽く弟子入り申請いたした。

 

 てなわけで、オレも肩トンをしてみた。

 

「んもー、なんだよー」

 って言いながらさ。

 

 そしたらカナヨのやつ、

「きゃっ♡」

 って、かわいい声を出すんよ。

 

 

 …

 

 まてーぃ‼︎

 

 オレがカナヨをドキドキさせたいのに、なんでオレがドキドキしとるんよ‼︎

 

 

 …

 

 オレって、ある意味…

 

 ドキドキの王様なんじゃね?

 

 ってか、そんな王様になりたくないかもですね。

 

 

 …

 

 えっとー…

 

 カナヨは、どうしたらドキドキするんかな?

 

 一番手っ取り早いのは、「わっ‼︎」って驚かすってやつ…なわけないな。

 

 そのドキドキは、また違うよなー…。

 

 

 

 

 …

 

 

 

 ぬんっ

 

「うわぁっ」

 カナヨがいきなりヌルッとオレの前に現れた。

 

 

「な、なんだよ⁉︎」

「え?なんか考えごとでもしてるのかなあ?って思ったんだけど…どうしたの?悩みがあるならいつでも相談してよね?」

「あ、…うん。ありがとう」

 

 な、な、なんだっていうのさ?不意打ちの優しさとかさ…そんなん…そんな優しい言葉かけられたらさ、そりゃどんどんキュンキュン祭りだわ。

 

 

「まぁ、悩み事なんて大したことじゃないんだろうけどねー。頭スポンジだからさぁ」

「はぁ?一言余計」

「余計なお世話界隈」

「…意味わかんねーよ」

「あはは、たしかにカニカニー」

「カニ祭りかよ」

「そうカニねぇ」

 

 

 …やっぱりカナヨは、かわいい。

 

 なにしてもかわいい。

 

 オレがそうおもいながら笑うと、カナヨは…

 

 ん?

 

 

「カナヨ?」

 なぜかカナヨが少し驚いたような顔をしてこちらをみていた。

 

 そして、

「不意打ちのその笑顔は、反則だろ…」

 って小声で言ったんよ。

 

 ⁉︎

 

 こ、これは…まさかのオレの逆転勝ちなんじゃ⁉︎

 

 

 ただ笑っただけなのに、不意打ちとか言ってくれるんか?

 

 世の中は、そんなもんなんかな?

 

 

 でもたしかに、高価なものをあげるよりもいつも使うものをもらった方がありがたいとかきいたようなきいてないようなきもしないでもない。

 

 

「さ、ゲーム再開しようぜ」

「うん!」

 

 

 こうして、ドキドキ作戦は、成功…したんかな…?

 

 知らんけど…。

 

 

 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る